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企業に求められる災害への対策とは?緊急事態に備えた事前準備の必要性

COLUMN

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  • わが国では、2011年3月11日に発生した東日本大震災、2017年7月の九州北部豪雨災害と記憶に残る大災害があり、2021年8月には西日本全域に九州北部豪雨以上の災害が発生しました。
    未だ収束の兆しが見えない新型コロナウイルス感染拡大による対策など、企業は有事の際に向けた事前準備の取り組みが必要不可欠になっています。安心・安全の職場作りは緊急時に必要な「備え」が重要なポイントです。本コラムでは災害時の対策についてお話をさせていただきます。

    企業が取り組む災害対策とは?なぜ必要なのか?

    自然災害の発生時における企業が取り組むべき対応として、「災害対策」と「事業継続」の2つのアプローチがあります。簡単に言えば、「災害対策」とは、被害を回避・軽減する事前準備であり、「事業継続」とは、災害発生後にいかにして事業を継続させるかという事後対応と考えたらよいでしょう。

    ではなぜ企業にとって災害対策が必要なのでしょうか?

    企業は労働契約法第5条に定められた「労働者の安全への配慮」が義務付けられています。もし企業が安全配慮義務を怠った場合、災害による損害のみならず従業員側からの訴訟リスクも発生する可能性があるため、企業はあらかじめ災害への対策を講じることが必要になるのです。

    地震・台風などの自然現象や火事・感染症などによって受ける思わぬ災いである「災害」は、とき・ところ・ひとを選びません。ビジネスパーソンにとって1日の多くの時間を過ごす勤務先がどのような災害対策を講じているかは関心が高い重要な問題と言えるでしょう。

    まず始めるべき3つの災害対策

    災害対策としてなにをすればいいのか、いつからはじめようか、難しく考えずにまずは簡単なことからはじめていきましょう。

    ① 「災害時の対策マニュアルの作成」
    →災害時の行動を事前に周知することで混乱を防ぎ二次災害へのリスクを軽減

    ② 「飲料水・非常食の備蓄」
    →会社内に数日間待機することが可能
    ※飲料水・非常食などは賞味期限や個数の管理はしっかり行いましょう。

    ③ 「防災グッズの準備と従業員への研修」
    →定期的な点検と研修を行い保管場所と使用方法の周知

    災害はいつくるのか、どのような状況になるのか予測不能です。
    だからこそ従業員の安心・安全を守るため会社の事前準備が必要なのです。
    出来るところからやっていきましょう!

    なお、福岡県が作成している福岡県防災ハンドブックでは、災害に関する基本的な知識に加え、災害時の留意点や水・食料の備蓄方法など「自助」「共助」に役立つさまざまなノウハウが掲載されています。家庭や地域そして企業内における防災力の強化にとても役立つ内容となっていますので是非ご参考下さい。

    安心・安全な職場へ

    個人における災害対策の意識は昨今非常に高くなっており、「自宅では飲料水・非常食や防災グッズの準備、家族間で避難場所の確認などをしている」という方も多数いらっしゃるかと思います。一方で、自身が勤める企業における災害対策は「十分である」と感じている方は少ないのではないでしょうか?内閣府の「令和元年度 企業の事業継続及び防災の取組に 関する実態調査」においても、大企業では事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を7割近くが策定しているものの、中堅企業ではその数字が大幅に下がり約3割強しか策定されていません。このことから、中堅企業(資本金10億円未満かつ常用雇用者数50人超等)にも満たない中小・零細企業においては、ほとんどBCP含め災害対策がなされていないのが実態ではないでしょうか。

    まとめ

    先にも述べたとおり、ビジネスパーソンにとって1日の多くの時間を過ごす勤務先で被災する可能性は非常に高く、職場における事前の災害対策はとても重要です。災害が起きていないときにこそできることが何かをイメージして、いざというときへの備えを行い、安心・安全な職場作りを進めていきましょう。

    author
    石井 宏照

    地場印刷会社で法人営業に従事した後、2008年社会保険労務士法人アドバンス)に転職。入所から現在までクライアントに寄り添った対応を心がけ日々アウトソーシング業務に従事する傍ら2020年に株式会社アドバンス取締役に就任。ワーケーション事業の責任者としてニューノーマルな「働き方」と「休み方」を発信していくことがミッション。趣味はゴルフとキャンプで月一のラウンドとキャンプを楽しんでいる。