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  • 【イベントレポート】「対馬市ワーケーションファムトリップ」実施しました!

    WORKATION

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  • 2022年11月24日(木)〜11月26日(土)の3日間、長崎県対馬市にてワーケーションファムトリップが開催されました。九州と朝鮮半島の中間に位置する対馬は、手つかずの自然が残る風光明媚な島。その一方で人口減少による担い手不足や空き家の増加など、今後日本全体に波及するであろう課題の先進地でもあります。こうした課題の解決に島外からの力を求める中、きっかけの一つとしてワーケーション誘致を推進しており、今回は実証実験として対馬市、一般社団法人対馬里山繋営塾、弊社・株式会社HOnProの3団体で連携して実施しました。

    本ワーケションファムトリップツアーで現地ガイドいただいた一般社団法人 対馬里山繋営塾の川口さん

    プログラム初日には各参加者による自己紹介と参加目的等を共有をしました。

    2泊3日のスケジュール

    今回の実証実験は目的に応じた3つのワーケーションプランを用意しました。
    Aプラン:企業向けSDGs研修ツアー(チームビルディング型)
    Bプラン:島ならではのテレワーク(福利厚生型)
    Cプラン:仕事につながる遊び方(ブレジャー型)

    そこで今回のワーケーションファムトリップでは、以下2つのプランを企画、各チームに分かれて進行しました。

    Aプラン:島外企業のネットワークやノウハウをつなぐことで対馬が抱える課題のブレイクスルーを目指しながら、企業には新規ビジネスのタネを見つけるきっかけを提供します。テーマは「廃校の利活用」「空き家の活用」「伝統的な食文化の継承」の3つ。実際に廃校・空き家の見学や伝統食・せん団子の調理体験などをした上で、アイデアの創出を行いました。

    対馬の伝統的な食文化の一つ”対州そば”の蕎麦うち体験の様子

    廃校となった小学校の校舎視察の様子

    久根田舎地区の空き家視察の様子

    B+Cプラン:ビジネスの出張に休暇をプラスするという旅の形「ブレジャー」をシミュレーション。対馬でテレワークをした場合に、休日はどんな過ごし方ができるのか体験します。対馬にのみ生息するツシマヤマネコの見学や、海藻を食い尽くす厄介者のウニ・ガンガゼの殻を使ったランプ作り、マグロの養殖場見学、自ら釣った魚でBBQ、穏やかな浅茅湾でシーカヤックと、対馬ならではの魅力を盛り込んだプランでした。

    サバやクロマグロの養殖場見学ができる対馬の海探検ツアー「海遊記」の様子

    浅茅湾でのシーカヤックの様子

    Aプラン(企業向けSDGs研修ツアー)のチーム発表

    ここからは、最終日に行われたAプラン(企業向けSDGs研修ツアー)のチーム発表内容をご紹介します。

    Aプラン(企業向けSDGs研修ツアー)の参加者は、「廃校の利活用」「空き家の活用」「伝統的な食文化の継承」の3つのグループの別れ、それぞれの地域課題解決をテーマにワークショップを実施しました。

    対馬の伝統料理「対州そば」の承継をテーマとしたチームの発表様子

    まずは1チーム目。対馬の伝統料理「対州そば」の承継がテーマです。当初、ECサイトを作り対州そばの認知度を上げ販路拡大を狙おうと考えましたが、人口減少に伴い生産者が減少、後継者もいない現状から、まずは生産者を増やすこと、作り手の誇りをプロモーションする方向へと軌道修正しました。題して「対州そばパラレルキャリア」。3年後の2025年に対州そばの生産者を30人作ることを目標設定。副業や脱サラ希望者、セカンドキャリアを考えている人などをターゲットに、働きながら期間限定で学べるスクール事業を実施、いずれは移住につなげていきたいとプレゼンしました。

    伝統食「せん団子」の承継をテーマにしたチームの発表の様子

    2チーム目のテーマは、伝統食・せん団子の承継です。さつま芋を発酵させ、でんぷん質だけを取り出して5カ月もの長い期間をかけて作る保存食ですが、対州そばと同じく作り手の減少や島外への認知度の低さが課題です。そこでチームが考えたプランが、せんの伝統と美味しさを伝える「せんストア」を対馬の町なかに作ること。製造は工場でオートメーション化し、ストアやECサイトで「せん」を使った加工品やお土産品を販売、販路拡大を目指します。各家庭の調理法を持ち寄り共有できる場やせん作りの体験コーナー、パネル展示コーナーなど、せんストアの具体的なアイデアも披露しました。

    対馬市内の「空き家と廃校」の利活用をテーマにしたチームの発表の様子

    最後、3チーム目がテーマとしたのは、「空き家と廃校」。実際に現地に赴きその現状にショックを受けたメンバー。地域の人同士や来島者が交流できる場をつくりたいと、「人と島-people to shima-プロジェクト」を考案しました。空き家はゲストハウスやシェア別荘にして、バックパッカーや長期滞在希望者を受け入れます。また島民も活用できる場とすることで集落間の交流も促そうと考えました。対馬は面積が広く移動時間がかかるため、北部に事務所を構える事業者が南部で仕事する際の拠点にするといった需要もありそうです。廃校は、交流スペース兼防災拠点、訪日外国人向けの高級宿泊施設、そして企業向けのシェアオフィスという幅広い活用方法を提案しました。

    3チームそれぞれ、メンバーが所属する企業の強みを生かした提案で、かつ資金調達の方法など実現に向けた具体的な案まで考察しており、今後の展開を期待する声も上がりました。どの発表も興味深く、質問が止まらない場面も見られるなど大いに盛り上がりました。

    B(島ならではのテレワーク)+C(仕事につながる遊び方)プランの参加者の声

    そして対馬でのプレジャー体験を満喫した、B(島ならではのテレワーク)+C(仕事につながる遊び方)プランの参加者の感想です。
    ただ体験するだけでなく、その取り組みを興した人々との交流も積極的に行われたため、そこに感銘を受けた声が多く聞かれました。

    ・訪れた先は、規模は小さくても大きな夢を描いている方ばかりだった。自分にも何かできることはないか、宿題として持ち帰り考えたい
    ・SDGsといったテーマは壮大で掴みどころがないが、ここに来れば肌身で感じることがある気がした。また自社も旧来のビジネスモデルが崩れ、新しいことを考えなければいけない。開放的な対馬に来て半日楽しみ、その後は自由な発想で企業の将来像などをディスカッションするという、日常を離れたワーケーションに可能性を感じる
    ・学びながら遊ぶということに主眼が置かれたプログラムだった。体験したコンテンツの全てが、島の方々が対馬の課題をどうビジネス化していくかに挑戦されていたところに共感し、みんなに知ってほしいと思った
    ・地域課題に対するポジティブな取り組みを見せていただいた。島の皆さんの言葉や表情に熱意が感じられ、それ自体がすごく楽しく、いつもの旅よりも濃いものになった

    対馬でのプレジャー体験を満喫した、B(島ならではのテレワーク)+C(仕事につながる遊び方)プランの参加メンバー

    最後に

    現地に足を運び、体験を通して地域の現状や未来を考えながら自身の業務を振り返る。これぞまさしく越境学習という2泊3日でした。こうした体験を社員研修として行うことで、企業が考えたアイデアが地域にうまくハマったり、他企業の事業との掛け算で広がるかもしれない…と、メンバーの一人として参加した筆者自身、大きな可能性を感じています。今後もHOnProは引き続き対馬市を盛り上げ、地域・企業双方にとってより良いワーケーション地となるように応援していきたいと思います。

    author
    HONPROmag編集部

    「HONPROmag」の運営会社 株式会社ホンプロのメンバーが編集部員となり、地方モデルによるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が溢れる社会実現を目指し、九州・沖縄エリアの自治体や企業の取り組み等をお届けします。