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  • 【古賀農園】農業現場研修。古賀さんが作る絶品スイートコーンを収穫する。(シリーズ九州・沖縄の働く現場)vol.1

    CASE

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  • 古賀農園の古賀祐史さん

    「働く現場を知ること。」そこで直接目で見て体験し感じたことは、インターネットで調べればすぐに分かるような知識とは比べものにならない価値があります。このコーナーでは、実際にHOnProマガジン編集部員がさまざまな働く現場に直接出向き、そこで感じとったことを文章にして皆さまにお届けします。記念すべき第1回目は、福岡県古賀市にある「古賀農園」さんにお邪魔して、旬のスイートコーン収穫をお手伝いしてきました。

    古賀さんが作る絶品スイートコーン

    今回、農業現場研修としてお邪魔した「古賀農園」さんでは、この時期(6月中旬〜7月中旬)スイートコーンの収穫時期を迎えていました。今年(2021年)は、「しあわせコーン」と「ドルチェドリーム」という2種類の品種を栽培しているとのこと。こちらのスイートコーン、もぎたてはなんと糖度が19度以上!これはマスカットと同じくらいの甘さだというから驚きです。毎年、某・有名料亭やレストラン、それから海外の一流シェフからもオーダーがある知る人ぞ知る超絶品スイートコーンなのです。

    農業現場研修のはじまり

    「体験じゃないですよ。現場研修ですよ。」農業の現場を体験したい…そんな甘い考えで古賀さんにお願いしたところ返ってきた言葉が、こちらの言葉でした。確かにそうです。ここは働く現場なのです!これまで古賀さんが様々な苦難を乗り越え、愛情をかけて育ててきたスイートコーンを収穫する。一番おいしい所だけ体験させて下さいなんて、そんな虫の良い話はありません。長靴・雨具持参、ガチの格好で来て下さいねと念を押されて、我々は気を引き締めて現地に向かいました。それでは、改めて今回のミッションを整理します。

    ミッション:スイートコーン400本の収穫と調整作業!

    得られる成果:今が旬の古賀さんが作るもぎたて「しあわせコーン」を食べる権利!!

    作業開始時間:午前4時30分!!!

    朝が早くて起きられるかとても不安でしたが、なぜこれほど早い時間に収穫するかというと、スイートコーンは太陽の出る日中に収穫すると糖がでんぷんに変わりやすくなり、甘みが落ちていくとのこと。太陽が出る前に収穫することがとても重要なのです。

    いざ畑へ

    辺りはまだ薄暗く、畑の全体像もよく分からない状況の中、収穫作業を開始します。収穫するのは成長した苗になった最も甘い一番果(一番上にあるもの)のみ。手で一番果の茎の根本から簡単にポキッと折れます。一番果を摘み取ったら、残渣(ざんさ)となる茎・葉は踏み倒していくことで、収穫済であることが分かるように。そうやって収穫が進んでいくと、どんどん畑が切り開かれていき、なんだか未開の土地を開拓している気分になります。慣れてくると作業スピードも徐々に上がって、参加した7人がかりで40分ほどで予定していた区域のスイートコーンを収穫し終えました。ちなみに、古賀さんはいつもお一人でほぼ同じ時間で今回収穫した量を収穫しているとのこと。プロの技に脱帽です。

    7人がかりで一気に収穫

    気がつけば東の空は白んできて、畑全体が見渡せるように。夜露と汗でびしょ濡れになりながらも、早朝の清々しい空気に程よい疲労も相まってなんとも言えない高揚感に包まれます。予定では400本の収穫でしたが、この日はざっと500本の収穫となりました。

    収穫したばかりの約500本のスイートコーンたち

    採れたて絶品“生”スイートコーンを食す!

    古賀さんから「早速生で食べてみますか?」と促され、採りたてのスイートコーンをいただくことに。「え?生で食べられるんですか?」少し不安になりながら恐る恐るスイートコーンに齧り(かぶり)つくと・・・「うんっま!!!!!何これ・・・僕の知っているコーンとは全然違うんですけど・・・」ジューシーでさっぱりした爽やかな甘味が口いっぱいに広がり、幸福感に満たされます。

    美味しさはこの表情が見事に物語っていますw

    今回は収穫の現場研修ということで、私たちは文字どおり「おいしい部分」だけを経験させていただいたのですが、天候や自然に大きく影響を受ける農業は多くの困難を伴うことも。一般的に味が良いとされる品種は、繊細で弱く収量も少ない傾向にあり、毎年どのような品種を育てるか頭を悩まされることも多いとのこと。美味しい野菜を作るためには、栄養素・土の状態・土の中に生きる微生物などにも気を配り、植物が持つ力と個性を引き出す環境づくりが大事だと古賀さんは話します。

    古賀農園の古賀祐史さん

    出荷前の仕上げの工程

    収穫研修はまだここで終わりではありません。この後は収穫したスイートコーンをA品・B品に振り分け、出荷する状態にする調整作業を行います。古賀農園さんでは基本的には化学農薬を使用しておらず、使用した場合であったも通常栽培の8割減まで抑えているとのこと。当然発育不足や虫の影響を受けることもあるのですが、収穫した野菜一つひとつを人の手でしっかりと確認して調整・振り分けを行うことで、本当に美味しい野菜を消費者に届けることができるのだといいます。また、こうやって丁寧に育てられた野菜たちは、一般的な流通によるのではなく全て付き合いのある飲食店や顔の見えるお客様向けに栽培しているというのが古賀農園さんの大きな特徴でもあります。

    みんなで調整作業

    調整後のスイートコーン。とても綺麗です。

    古賀農園さんのお野菜はここで買えます!

    古賀農園さんのお野菜たちは古賀さんこだわりのオシャレ無人販売所でも購入することができますので、お近くをお通りの際は是非お立ち寄りください。

    無料販売所の詳しい場所はココです。(←リンクをクリックしてください)

    これまでの無人販売所のイメージを覆すオシャレな佇まい。この日は枝豆・ズッキーニ・ナス・ピーマンなどが販売されていました。

    農業現場研修を終えて

    これまで何気なく食べていた食材も、生産者の顔が見えその想いを知った上でいただくとまた違った味わいが生まれます。野菜ひとつとっても、顧客のことを考え細部までこだわった仕事というものは人の心を揺さぶることができる。どんな仕事にも共通しているかもしれない、この当たり前のようでなかなか実践できていないことの重要性を再確認できた農業現場研修でした。今回、快く研修を受け入れていただいた古賀農園の古賀さん、大変貴重な経験をさせていただき誠にありがとうございました!

    ※この記事内容は公開日時点での情報です。

    取材先
    古賀農園

    古賀農園

    代表:古賀祐史 氏

    日本農業技術検定1級

    土づくりマイスター(日本土壌協会)

     

    author
    伴 芳夫
    特定社会保険労務士、行政書士、法学修士。福岡の鉄道会社で営業職などに従事した後、社会保険労務士資格を取得し社会保険労務士法人アドバンスに入所。2015年より同法人代表に就任。2014年に株式会社ホンプロを設立。アドバンスグループの経営責任者。複数の企業や団体で役員・理事・評議員などを務める。趣味のアウトドアではJBS認定ブッシュクラフトインストラクター®︎の資格を持つ。自ら焙煎ワークショップを開催するほどの珈琲好き。