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  • 【アドバンスグループ】働く場所の新しいカタチ…「ABW」『九州・沖縄企業の取組み事例vol. 9』

    CASE

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  • 「時間・場所を自由に選んで働きたい!」
    そんなことを思った経験、一度はありませんか?

    アドバンスグループ(以下、当グループ)では、そのような理想の働き方を実現すべく、「ABW」と呼ばれる制度を取り入れました。
    「ABW」とは、働く時間と場所を自由に選択できる働き方のことです。会社が決めた席に座って仕事をする従来型のスタイルに比べ、より自律的な働き方を促進するものです。
    自律的に働くことは、社員ひとりひとりだけでなく、会社全体にとってもプラスになります。
    ABWを導入して約4か月が経過し、見えてきた効果や課題をお伝えします。

    ABWとは?フリーアドレスとの違いは?

    ABWとは「Active Based Working」の略。その日の仕事内容や気分に合わせて、働く場所や時間を自由に選択することができる働き方のことで、もともとはオランダで始まったと言われています。
    オフィスだけでなく、自宅、カフェ、コワーキングスペースなどのあらゆる場所が仕事場となり得ます。
    普段はオフィスのデスクで、集中したいときは個室ブースで、アイデアを考えたいときは朝からいつもと違うカフェで、といったように、柔軟に働く場所と時間を選択することができます。

    フリーアドレスとは、オフィスの中でひとりひとりの固定席を決めずに、そのときに空いている好きな席を選んで働くワークスタイルのことです。
    出社した社員は自分のパソコンや資料を持ち、オフィス内の好きな席で働けますが、あくまでも働く場所の選択肢はオフィス内に限られます。

    当グループでは、働き方の選択肢をできるだけ増やし、より自由度を高めたいという思いがあったため、フリーアドレスではなく、ABWを選択することにしました。

    大きなテーブルに椅子を6つずつ配置。奥には作業に集中しやすい席も

    談笑しながらコーヒーを飲んだり、打合せや自己研鑽のための勉強など幅広く活用できるブックカフェラウンジ

    ABW導入の目的

    社員側でABWの働き方を理想と考える人が多いことは容易に想像できますが、会社側としてABWを導入する狙いはどこにあるのでしょうか。
    当グループは、以下の目的を掲げてABWの導入に至りました。

    ・社員の働き心地をより良くする

    ・在籍人数、出社人数の増減に柔軟に対応できるオフィスにする

    ・士業事務所としてのニュースタンダードを示す

    働き方の選択肢を増やすことで、社員ひとりひとりのパフォーマンスの向上や、会社への帰属意識の高まりといった効果が期待できます。社員にとって嬉しい制度は、会社にとっても嬉しい制度なのです。

    ABW導入による大きな変化

    ABWの導入によって、3つの大きな変化がありました。
    1つ目は、フリーアドレスの導入です。フリーアドレスなので座席を自由に選ぶことができます。唯一のルールとして「昨日と同じ席には座らない」というものを設けています。
    もともと、新型コロナウイルス感染症まり出社が稀になるということ。そんな中で、出社した日には出社したからこそのパフォーマンスの発揮が求められるようになりました。
    例えば、打ち合わせが多い出社日は、会議室の近くや、何人かで作業をできるような広いスペースがある席を選ぶといったように、その日の仕事に合わせて、各社員が座席を選択するようにしています。

    2つ目の変化は、海が見えるコワーキングスペースを契約したことです。
    ABWは、オフィスに限らず、自宅、カフェ、コワーキングスペースなどあらゆる場所で仕事ができる制度です。社員が働く場所の選択肢を増やすため、福岡県福岡市西区にある海辺のシェアオフィス「SALT」を契約しました。
    海の目の前という立地のため、海を180度見渡すことができ、波の音が聞こえてきます。非日常感があり、仕事をしながらリフレッシュできる空間です。
    このいつもとは違う空間で仕事をすることで、アイデアが湧きやすくなったり、社員同士のコミュニケーションが活発になったりといった効果を期待しています。

    海辺のシェアオフィス「SALT

    3つ目は、ABW導入にあわせて、健康に配慮した執務空間を実現したことです。
    デスクワークをする上で、健康面の課題を感じている人は多いでしょう。実際に、オーストラリアの国民調査データ分析では、人は1時間座り続けると、22分も寿命が縮んでしまうというデータが出ています。これは大変な問題です。そこで、健康意識が高い北欧では立ちながら仕事をする人が増加しています。
    当グループの具体的な取り組みとしては、立ったまま打ち合わせできるスペースを確保したり、ミーティングスペースの座席にバランスボール風の椅子を導入したりしました。この椅子に座ると、仕事をしながらインナーマッスルを刺激できます。

    ミーティングスペースには大きなモニターとインナーマッスルを鍛えることができるスツールを配置

    立って仕事ができるスタンディングデスク

    ABW導入の効果、メリット

    ABW導入後、社内アンケートを実施しました。
    社員アンケートでは、働き心地の良さについて「大変満足している」「どちらかといえば満足している」のいずれかを回答した社員が9割を超えました。これは非常に高い満足度と言えます。

    社員は、具体的にABWのどこにメリットを感じているのでしょうか。
    社員アンケートでは、自部署以外の社員とのコミュニケーションが増えたことをメリットだと感じた社員が過半数に及びました。これは、フリーアドレスの制度によって、その日に偶然隣り合った他部署の社員同士で何気ない会話をもつ機会が増えたことによる効果と考えられます。

    ABW導入後の課題

    社員アンケートから、今後の課題も見えてきました。
    フリーアドレス制度によって、他部署の社員とのコミュニケーション機会が増えた一方で、自部署内のコミュニケーションが課題として浮き彫りになりました。
    席が固定だった以前は、席が近い自部署の社員の様子から、仕事の進捗やトラブルの有無などを早めに察知することが可能でした。当時は仕事の状況を把握し、すぐにフォローすることができていましたが、ABW導入後はそれがしづらくなったという声が上がりました。
    また、電話を取り次ぐ際などに、その人がどこで勤務しているか、どの席にいるかがわかりづらいという声もありました。出社、出張、テレワークなど、各々の勤務場所や状況を可視化する必要があります。
    今後は、部署内でのコミュニケーションや情報共有をどう強化していくかということを中心に、当グループとしてのABWのブラッシュアップを考えていきます。

    まとめ

    アドバンスのABWの制度はまだ運用し始めたばかりです。これを機に、多くの社員にとってできる限り働き心地の良い職場の実現をより一層目指していきたいと考えています。

    もしお近くにお越しの際には、ぜひ当グループの執務室見学にお立ち寄りください。「百聞は一見に如かず」です。ABWを検討している方、様子をちょっと見てみたい方の助けとなりますよう、社内をご案内させて頂きます。

    ※この記事内容は公開日時点での情報です。

    author
    HONPROmag編集部

    「HONPROmag」の運営会社 株式会社ホンプロのメンバーが編集部員となり、地方モデルによるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が溢れる社会実現を目指し、九州・沖縄エリアの自治体や企業の取り組み等をお届けします。