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  • 【長崎県長崎市】ワーケーションから移住へ。国際色豊かな街・長崎市の挑戦

    WORKATION

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  • 提供:長崎市

    九州・沖縄各地の自治体にワーケーションの取り組みを取材する本企画。今回訪問したのは長崎市です。長崎市と聞いて思い浮かぶのは、大浦天主堂やグラバー園などの異国情緒にあふれた街の姿ですが、はたしてワーケーション先としてはどうなのでしょうか?長崎市企画財政部移住支援室でワーケーション推進と移住促進を担当する渡辺さんに聞きました。

    改めて知る長崎市の魅力

    長崎市は九州の西端に位置する人口約40万人の中核市です。市内各地に点在する文化財や史跡、頻繁に開催されるお祭りやイベントからは、中世から海外に開かれた街の歴史や文化、人々の営みを感じることができます。食の面では全国的にはカステラやちゃんぽん、皿うどんが知られていますが、実は長崎の魚は絶品。豊かな海から種類豊富で新鮮な魚が揚がり、飲食店で美味しく味わうことができます。

    市内への移動は、長崎空港から空港リムジンバスで約40分。都市機能がコンパクトに集約された中心部は、路面電車や路線バスなど公共交通機関が充実しており、車なしでも滞在が可能です。

    移住者も年々増えているそうで、長崎港を囲うすり鉢状の斜面に建物が立ち並ぶ独特の景観に新鮮さを感じる人もいれば、周辺地区の豊かな自然に惹かれる人も。海や山でのアウトドア、地元の漁業や農業に関わるグリーンツーリズムなど、「都市型の生活をしながら気軽に自然と行き来できる、多様な暮らし方が選べる街」と渡辺さんは説明します。

    県外から来た移住者も、斜面地にある空き家をリノベ―ションしてカフェを開いたり漁港で民宿を営んだりと、それぞれ好みのライフスタイルを実現しているそうです。

    長崎市企画財政部移住支援室でワーケーション推進と移住促進を担当する渡辺さん

    ワーケーション推進の背景といま

    そんな長崎市のワーケーション推進は、「移住者につながる可能性がある関係人口を増やすこと」を目的として始まりました。というのも、移住者は毎年増加してはいますが、その多くがUターン組。今はまだ3割ほどのIターン人口を増やしていくためにも、従来の移住支援の範囲を広げる必要があったからです。

    具体的な取り組みとしては、ターゲットを個人と企業に分けて行ってきました。
    まず個人に向けて2年前に始めたのが「ワーケーション・モニター」プログラム。市内で2泊3日以上のワーケーションを実施し、SNSの投稿とアンケートへの回答を行うことを条件に謝礼金を支払うもので、外から見た長崎市の魅力やニーズの把握に努めています。
    対象者からは、「市内中心部の移動が便利だった」「仕事と観光を両立して充実した時間を過ごせた」といった好意的な声があがった一方で、宿泊施設等の仕事環境の整備に関する要望や、コワーキングスペースを複数利用する際に使えるクーポンがあるといいなどの意見が寄せられたとのこと。

    そして企業向けの取り組みでは、ワーケーション制度導入を検討する企業に対して、コワーキングスペースの事前視察のサポートや関係機関とのマッチングを実施しています。人のつながりを生み出し、継続的な関係を結んでもらうことを意識して行っているそうです。
    「刻々と変わる人々の働き方や企業環境の変化、ニーズについて、実際に取り組みを通して得られる一次情報をモニターしながら進めています」。

     

    長崎市でワーケーションを行うなら

    ではここで改めて、企業ワーケターに向けた長崎市の見どころを挙げてみたいと思います。

    まずは、民間事業者が運営する特色あるコワーキングスペースが充実していること。長崎市の移住・定住応援公式サイト「ながさき人になろう」では、11の施設が紹介されています。https://nagasakijin.com/
    渡辺さんは、「グループで訪れた際、一カ所の施設にカンヅメではなく、社員それぞれに向いた場所を選ぶこともできると思うんです。例えば港に面したコワーキングスペースで船を眺めながら仕事したり、大学生の利用が多いコワーキングスペースで若い方と交流しながら仕事のアイデアを生み出すのもいいでしょう」と活用を提案します。

    滞在中は、土地のことを楽しみながら知る時間も大切。長崎国際観光コンベンション協会(DMO NAGASAKI)が長崎市内での遊び方を紹介するポータルサイト「PLAY NAGASAKI」 https://play.nagasaki-visit.or.jp/には、市内で提供されている多彩な体験型コンテンツが掲載されています。長崎の歴史と文化を歩きながら学べるまち歩きや、鎖国時代から開港、明治を経て現代までに醸成された長崎の和華蘭文化をeBikeで巡る、ガイド付きストーリーツアーなどがおすすめです。

    そして市内には大学や企業も集中していることから、新たなビジネスの機会も生まれやすい環境です。市の商工部では長崎県と市、地元金融機関や企業と訪問企業とをつなぐオープンイノベーションの取り組みを行っているので、チェックしてみてはいかがでしょうか(イベントは随時、長崎市公式SNSや関係機関「NaigaiCrew」のSNSで告知)。

    新たな取り組み

    市はこれまで、ワーケーションと移住支援の取り組みを同時並行で行っていましたが、その「間」をつなげるものがなかったのだそう。そこで今年6月に補正予算を組み新たに立ち上げたのが、「ながさきお試し暮らし応援事業」です。

    「地域との関係性を作りたい」「移住の可能性を考えたい」「自分に合う副業を探したい」など何らかの目的を持って長崎市にワーケーション滞在する人に対し、その間の旅費補助を行うとともに、移住相談員が地域の企業や人との関係づくりをサポートします。滞在中はゲストハウスやコワーキングスペースの代表者の紹介、長崎市での創業支援窓口や事業承継の支援機関も案内する予定です。

    「一週間から一ヶ月と長期滞在をしてもらう中で、地域と継続的なつながりを作れるようサポートして、移住してみたい方にはそのまま移住支援につないでいく。ワーケーション推進と移住支援を組み合わせ、交流人口から関係人口、定住人口へとつなげられるように考えています」。域外の人と地域の企業や人との接点を増やすべく、事業の開始に向けて準備を進めています。

    今後の展望

    今後は、より波及効果が大きいと思われる法人やグループで来てもらいやすくなる仕組みも考えていきたいとのこと。渡辺さんは、企業のニーズに応じて、視察先や案内の内容も充実・変化させていきたいと話します。

    人口減少が予測される中、地域経済の縮小を防ぎながら地域の価値を高め、外部からの人の流れと良い循環を促すことが重要です。ワーケーションを促進することが、ひいては地元の企業や個人事業者、誘致企業の人材確保や新事業の創出につながることに価値があるとして、「長崎市役所の他部局はもちろん、地元宿泊施設やコワーキングスペースなど民間事業者とも連携しながら、地元企業、住民、行政の皆が新たな価値を感じられる仕組みを作っていけたら」「人の交流を通じて地域で化学反応が起き、いずれは経済的な効果が生まれることを目指します」と展望を語ってくださいました。

    まとめ

    長崎市の移住・定住応援公式サイト「ながさき人になろう」では、移住者の声とともにさまざまな長崎市の魅力を紹介しています。興味を持った方は、まずは一度サイトを訪問し、自分に合った働き方・生き方を模索してみてはいかがでしょうか。

     

    長崎市企画財政部移住支援室でワーケーション推進と移住促進を担当する渡辺さん(右)と、弊社代表取締役の渡邊(左)

    取材先自治体
    長崎県 長崎市

    公式HP:https://www.city.nagasaki.lg.jp/index.html

    TEL:095-822-8888(代表)

    開庁時間:午前8時45分~午後5時30分(土・日祝日・12月29日~翌年1月3日を除く)
    ※施設・部署によって異なる場合があります。

     

    author
    HONPROmag編集部

    「HONPROmag」の運営会社 株式会社ホンプロのメンバーが編集部員となり、地方モデルによるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が溢れる社会実現を目指し、九州・沖縄エリアの自治体や企業の取り組み等をお届けします。