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  • 【イベントレポート】鹿児島ワーケーションマッチングを開催しました!

    WORKATION

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  • 株式会社ホンプロでは、鹿児島県による「令和5年度業務型ワーケーション普及促進事業」の委託を受け、7月14日(金)・20日(木)、鹿児島県は県内の自治体と県外の企業との交流を目的としたイベント「鹿児島ワーケーションマッチング」を開催しました。大阪、東京の会場には、2日間で30社の企業の皆さん、そして離島も含め鹿児島県内8つの市町村が集結。東京会場でのイベントの様子をお伝えします。

    オープニングスピーチ

    まずは、鹿児島県 商工労働水産部 産業人材確保・移住促進課 課長補佐の山田元氏による開会の挨拶からスタート。
    今年3月から“南の宝箱 鹿児島”というキャッチコピーを掲げている鹿児島県。南国の温暖な気候の中、澄み切った空や海、世界自然遺産の島など、豊かな自然に恵まれています。食の分野では、5年に一度開催される『全国和牛能力共進会』で前回・前々回の2大会連続で日本一を獲得した鹿児島黒牛や、人気の黒豚。うなぎの生産量も日本一で、美味しい焼酎も味わえます。「県内多くの宝物があり、心温かい人々と一緒に心も体も癒やされる時間を満喫できる」と魅力をアピールしました。

    鹿児島県商工労働水産部産業人材確保・移住促進課 課長補佐 山田元氏(左)と一般社団法人官民共創未来コンソーシアム パブリック人材エバンジェリスト 鈴木圭三氏(右)

    昨年度はワーケーション実施の効果検証を実施し、仕事へのポジティブ度や集中力が向上し、チームビルディングに効果があるという分析結果が出たとのことで、「ぜひ本イベントを通じて県内市町村といいご縁を生んでいただき、鹿児島ならではのワーケーションにつなげてもらいたい」と期待を込めました。

    基調講演「場所を選ばない働き方の可能性」

    続いて、一般社団法人官民共創未来コンソーシアム パブリック人材エバンジェリストの鈴木圭三氏による基調講演が行われました。
    「ワーケーションは、地域側の目線と訪れる側の目線が全然違う」と鈴木氏。お互いがどういう目的や思いを持っているのか、なぜ地方のフィールドを活用したいのかを知っておくことでうまくマッチングできると言います。

    鹿児島県は業務型ワーケーションを推進していますが、業務型の中にも合宿型、地域課題解決型、サテライトオフィス型があります。企業側としてはこの3つのどれかを選ぶのではなく、時系列で進めていくべきであると鈴木氏。
    それぞれを詳しく説明すると、まず人事やエンゲージメントを目的に職場のメンバーと議論を交わしながら行うのが合宿型。ここで地域との交流を作れたら、次に進むのが地域課題解決型。新規事業開発やCSVビジネスを検討するべく、地域課題解決のためのアイデアソンや越境学習を実施します。ここで出てきた意図・目的を実際に行う実行フェーズが、サテライトオフィス型です。

    一方、地域側のステップとしては、企業の受け入れ準備、地域課題の明確化と共有、受け皿施設の自走化、CSVビジネスプロジェクトの立ち上げの4つがあると説明。この「企業側のステップ」と「地域側のステップ」をシンクロさせていくことが大事であり、歩調を合わせながら関係を深めていく大切さを強調しました。

    一般社団法人官民共創未来コンソーシアム パブリック人材エバンジェリスト 鈴木圭三氏

    最後は会場に訪れている企業ワーカーに向けて、「最初はいつも偶然の出会いです。今日気になる人がいたら会いに行ってみましょう。今日の偶然の出会いを、人生を変えるような運命の出会いに変えてみてください」とメッセージを送りました。

    鹿児島県の出展自治体による紹介ピッチ(前半)

    ワーケーションについての認識が深まったところで、県内7つの出展自治体の紹介ピッチに。それぞれ、街の特徴やワーケーション実施地としての魅力をプレゼンしました。
    奄美市は、2021年7月に世界自然遺産に登録された多様な生物が生息する豊かな自然と、島唄や八月踊りなどの独自の文化を礎に、魅力ある地域づくりに取り組んでいます。ワーケーション施設としては、地域企業とのつながりをサポートしてもらえるコワーキングスペースや、インキュベートルーム7室を備えたワーキングスペースが紹介されました。

    「東洋のフロリダ」というキャッチコピーが話題なのは肝付町。本土最南端にあり、美しい海岸線や白い砂浜、本土唯一のロケット発射台などワーケーションコンテンツとしても魅力的な特徴を有します。ビジネスチャンスを希望している町内企業を紹介しながら、新しいビジネス創出に取り組みたい企業へラブコールを送りました。

    薩摩川内市は、地形の変化が美しい国定公園・甑島やラムサール条約登録湿地の藺牟田池(いむたいけ)など、豊かな自然に包まれながらのワーケーションが可能です。甲冑をかぶって武家屋敷を散策する体験も人気とのこと。募集中のワーケーションモニター事業の紹介もありました。

    前半のラストは垂水市。ブリやカンパチの養殖産業、びわ・柑橘類の果実、きぬさやえんどうなどの野菜栽培も盛んに行われています。今年4月には「フェアフィールド・バイ・マリオット・鹿児島たるみず桜島」がオープン、ラグジュアリーなワーケーションが可能になりました。また全国的にも珍しい花崗岩でできた猿ヶ城渓谷の渓流を下るキャニオニングは、チームビルディングに最適だそうです。

    鹿児島県の出展自治体による紹介ピッチ(後半)

    十島村のあるトカラ列島は屋久島と奄美大島の間に位置し、日本最後の秘境といわれています。人が住む7つの島、5つの無人島を有し、手つかずの大自然、絶景の天然温泉、山海の幸が魅力。現在ワーケーション可能な施設は悪石島と口之島にそれぞれ一つずつ。今年に入ってから個人客を中心に15組85人が利用しているそうです。グループでの貸し切りが可能なので、コロナ禍で失われたチームワークを離島生活で取り戻す「合宿型ワーケーション」にも使っていただければ、とアピールしました。

    続いて枕崎市。平均気温約18度と温暖で、南国らしい太陽と潮香る街です。かつお節の生産量は全国最多、鰹の水揚げ量も全国二番目と名実ともに「鰹の町」。ワーケーションでは、市が保有するワーケーション施設と、自然保育をうたう保育園が連携し、未就学児と親御さんのための親子ワーケーションを計画しています。また新規事業開発の機会を探っている企業と連携し、地域課題解決にも力を入れているそうです。

    紹介ピッチ最後は長島町。ブリの養殖日本一で、温州みかんの発祥の地。ブリも、和牛も、野菜も、柑橘もある圧倒的な一次産業の街です。一見食べ物には困りませんし、子供の出生率も2.06%と豊かな街。しかしその豊かさがずっと続いていくかが課題と説明。実際に、現在1万人弱の人口も2040年には約6000人に減少するとの統計が出ているそうで、「この衰退のスピードを少しでも遅らせるため、皆さんと一緒にサービス開発していきたい」と訴えました。

    前半と後半の終わりには、それぞれ登壇した自治体職員が並び、会場からの質問を受けました。
    そして紹介ピッチ後は、休憩をはさんで個別交流会へ。各出展自治体の設けたブースに参加企業の方々が足を運び、個別に交流を深めました。随所に笑顔がこぼれ、大いに盛り上がる会となりました。

    最後に

    本イベントのモデレーター 藤澤さしみ氏(写真右)と一般社団法人官民共創未来コンソーシアム パブリック人材エバンジェリスト 鈴木圭三氏(写真左)

    同じ鹿児島県でも自治体によって特徴や魅力、抱える課題はさまざまです。今回のイベントを通してそれらが伝わり、企業ワーカーの方々に少しでも響くところがあったならと思います。そして、これをきっかけにぜひ鹿児島県でのワーケーション実施やビジネス展開につなげてもらえればと願います。

    author
    HONPROmag編集部

    「HONPROmag」の運営会社 株式会社ホンプロのメンバーが編集部員となり、地方モデルによるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が溢れる社会実現を目指し、九州・沖縄エリアの自治体や企業の取り組み等をお届けします。