対馬で”アウトドア×ワーク”の体験レポート2020 vol.3
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HOnProマガジンを運営する株式会社アドバンス(以下、弊社)では、2019年に続き2020年も長崎県対馬市の「あそうベイパークオートキャンプ場」にて“アウトドア×ワーク”のワーケーションを体験しました。本記事では我々が体験したワーケーションをもとに、参加者が感じたワーケーションに対して期待する点と課題となる点をお伝えします。
ワーケーション参加者の意見をとりまとめた貴重な一次情報ですので、ぜひご参考ください。
イベント参加者におけるワーケーションへのポジティブな声
イベント参加者からは以下のようなポジティブな意見を集めることができました。
- いつもと違う場所での仕事をすることでストレスが軽減された。
- 環境を変えることで通常業務も違う視点から考えることができた。
- 会社が指定した地域へのワーケーション実施となったことで、自分では旅行の選択肢にも入っていない地域への訪問機会ができた。
- 現地の企業や自治体等訪問地域との交流が生まれて、その地域への愛着や新しい交流が生まれた。
- 一緒に参加した同僚と普段とは異なるコミュニケーションの機会を得ることができた。
ほとんどの参加者から「リフレッシュしながら働くことができた」と言った感想をいただき、皆さんワーケーションの醍醐味を体感できたようです。
また、特徴的だったのが、普段のプライベートの旅行では選択肢にも入らないような場所だったが、会社が決めた場所でワーケーションを実施したことで「行かないと分からない良さ」を感じることができ、今後仕事以外でも訪問したいとの声もありました。
受け入れ側の自治体としてもワーケーションを通じて関係人口の増加を目的としている点もあると思います。企業がワーケーションを実施することで参加者における自治体での消費活動だけでなく、参加者が自分の家族や知り合いにワーケーション実施先の自治体の魅力を伝えることで新たな訪問者へとつながることも考えられます。
イベント参加者が感じたワーケーション実施時の懸念事項
ポジティブな意見と反対に、ワーケーションの実施に対して考え得る懸念事項も集めることができました。
- 公私の区別が付きにくく、仕事と休暇どちらをメインとしてとらえて参加したら良いか少々困惑した。
- PCを持ったまま休暇に入ることで、メール連絡等が来ていないか気になり、精神的に休めなかった。
- PCや書類等の保管管理の運用整理が無いと、バケーション(休暇)の時間帯の情報セキュリティに不安がある。
- すべての業種や業務で可能ではないので、ワーケーションができない部署の従業員に不平不満が生じる懸念がある。
- 部署によりワーケーションの実施可否が分かれてしまうと、組織内のモチベーションにばらつきが生まれてしまう。
- ワーケーションをしたことによる成果物をはかることが難しい。
- 家庭内での調整が難しく、行きたくてもいけない。
ワーケーションについては、労働時間管理やセキュリティの面などが課題事項として広く取り上げられております。
今回の参加者からの意見で最も興味深かったのは、ワーケーションを実施できる部署とそうでない部署に分かれた際に、組織内でモチベーションにばらつきが出る懸念がある点です。
PC1台とネット環境があれば仕事ができるような職種であれば、ワーケーションの実施は難しくないかと思います。しかし、ワーケーションの実施形態は複数あるのをご存知でしょうか。ワーケーションの実施形態を複数組み合わせることで組織内の不公平感を解消し、モチベーションの維持にもつなげることができると思います。
まとめ
2020年7月に新型コロナウイルスの影響で観光需要が低迷するなか、政府が観光や働き方の新たな形として休暇を楽しみながらテレワークで働く「ワーケーション」の普及に取り組む考えを示しました。このことから、「ワーケーション」という言葉が一気に世の中に広がったと感じております。
しかしながら、実態は観光需要の取り込みを主目的とした観光PRの勢いが強く、ワーケーションにおける”ワーク”部分、つまり企業側がワーケーションを実施するメリットやその効果がうまく浸透していないように思えます。
経営者、人事担当者の方がHOnProマガジンで発信する情報をもとに、企業におけるワーケーション制度への理解が進むととてもうれしいです。
※この記事内容は公開日時点での情報です。