九州の自治体向け┃ワーケーション成功事例から計画を作成する法則
WORKATION
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1. 九州の自治体がワーケーションに取り組む意義
人口減少が進む日本において、ワーケーションは地域活性化を実現する効果的な施策です。
特に地方と都市部の人口格差が拡大する中で、九州の自治体にとってワーケーションは多くのメリットをもたらします。
1-1.ワーケーションがもたらす地域への効果
- 地域経済の活性化
・宿泊施設の稼働率向上(平均15〜20%増加の事例あり)
・飲食店など地元消費の拡大
・オフシーズン需要の創出
- 地域住民との交流促進
・移住、二地域居住への発展の可能性
・地元人材のスキルアップ機会の創出
- 持続可能な地域づくり
・環境に配慮した観光の推進
・遊休施設の有効活用
・地域文化、自然環境の保全意識の向上
1-2.九州ならではのワーケーションの強み
九州は温泉地や美しい自然、歴史的名所、豊かな食文化など、ワーケーションに最適な資源を豊富に有しています。
- 温暖な気候: 冬でも比較的温暖な地域もあり屋外活動がしやすい
- 多様な地域性: 都市型から離島まで様々な環境が選択可能
- 食文化の豊かさ: 海の幸、山の幸を活かした魅力的な食体験
このように、九州ならではの強みが活用できます。
2.【九州】ワーケーションの成功事例
九州におけるワーケーションの成功事例を紹介します。
成功した取り組みからは、他の自治体が学ぶべき多くのポイントが見えてきます。
さらに、成功事例をどのように参考にするかのポイントもあわせて紹介していきます。
2-1 鹿児島県枕崎市の事例:2万人規模自治体の挑戦
華やかな成功事例からは得られない、身近で現実的な施策から学ぶ事例として枕崎市のワーケーション施策からは多くのヒントが得られるでしょう。
- 背景と課題
・人口約2万規模の自治体
・かつお節以外の地域イメージが弱い
・移住者増加が見込めない状況
- 成功の取り組みポイント
・若い世代との交流機会創出
・「さとのば大学」スタディーツアー実施
・高校生との交流プログラム開発
・他地域との連携強化
- 地域を越えた事業開発の促進
・企画開発をおこなう外部人材の積極的受け入れ
- 拠点整備の工夫
・「Camping Office osoto Makurazaki」の設置
・「ゲストハウスKoToKoTo」との連携
枕崎市では、産業や自然を打ち出す以外にも、人と人のつながりを広げるアプローチをおこなうことで、他地域との差別化を図り独自の戦略で地域活性化へ繋げています。
- 学びのポイント
・小規模自治体でも外部協力者との連携で成果を出せる
・華やかな成功よりも、着実な関係構築が重要
・既存の思考にあてはめない新たな視点で価値を創出
枕崎市のワーケーション戦略は、まだまだチャレンジの途中です。
2-2 熊本県 天草の事例:広域連携の強み
熊本県天草エリアでは、観光需要の回復と新たな客層の獲得を目指し、2022年度からワーケーション施策を本格的に推進しています。
豊かな自然と地域の資源を活かした充実したコンテンツが、天草エリアのワーケーション成功の鍵といえるのではないでしょうか。
- 背景と課題
・観光需要の回復と新規客層獲得が必要
・離島・半島という地理的条件
・季節変動の大きい観光需要
- 成功の取り組みポイント
・天草広域本部が中心となり複数市町村が連携
・国の交付金を活用した施設整備
・ターゲットを明確にした施策
・総括的な情報発信
- ターゲットを明確にした施策内容
・企業経営層向け高級宿泊施設の整備
・宿泊客データから福岡県のワーケーション利用者をターゲットに設定
・地域資源を活かした体験プログラム
└ イルカウォッチング、焚き火、サイクリングなど多彩なアクティビティ
└ 地元ガイドによる特別体験プログラム
- 包括的な情報発信内容
・「天草ワーケーション活用ガイド」の作成
・WEBサイトやSNSを活用した移住・仕事相談含むプロモーション
- 学びのポイント
・広域連携による多様な体験プログラムと地域全体の相乗効果の創出
・明確なターゲット設定による独自性のあるプログラム開発
・地域固有の観光資源を活かした差別化プログラムの構築
2-3 成功事例から学ぶポイント
枕崎市の事例や、天草の事例、そしてワーケーション導入の成功事例をいくつも分析した結果、成功事例には共通点がありました。それは、自分たちの自治体の課題を把握している点です。
その上で、自分たちの自治体にあった
・地域資源を最大限に活用したプログラム設計
・地元住民や関係企業との密な連携
をおこなっていました。
もちろん、最初から全てが計画通りに進むわけではありません。
そのため、計画を進める上で生じた「課題」や「ニーズ」に応じた改善施策もおこなっていました。
これらの要素が、ワーケーションの成功に関連していると考えられます。
3. 自治体がワーケーション計画を作るステップ
ワーケーション計画作成において最も大事なファーストステップは、多くの成功事例を参考にすることではありません。まずは、自分たちの自治体の現状分析とゴールを設定することです。
なぜなら、現状とゴールがあるからこそ、何を調査したらよいのか?自分たちの自治体に参考になる事例はどのような事例か?が見えてくるからです。現状把握とゴールを設定し、それに基づいて 計画を立てることが、ワーケーション導入を成功に導く最も重要なファーストステップとなります。
ワーケーション導入は、関係者も多くなりますし、予算もかかります。また、継続しておこなう施策のため、先を見据えた計画的なアプローチが必要です。
では、次からは、実際にどういった点に注意して計画を作成したらよいかの具体策を紹介していきます。
3-1 現状分析~目標設定~計画作成
大切なことは自分たちの現状分析をおこない、地域の強みや課題を明確にすることです。その上で、目標を設定しながら具体的な期間や予算などを考えていきます。最初から完璧な計画を立てることは難しいものです。
まずは、情報を書き出して関係者と共にブラッシュアップしていく前提で進めていきましょう。このプロセスを通じて、実行可能なプランが構築されます。
3-2 フォーマットに沿って書き出す
現状把握・目標設定・計画作成をおこなうためのフォーマットを用意しました。以下のフォーマットに沿って、関係者と一緒に考え情報を共有しましょう。
3-3 計画作成のポイントは5W2H
まずは、関係者と意見を交わしながら情報を出し合う所から始めましょう。その時に意識することは、5W2Hを活用することです。
例えば、How(どのような手段で実現していくのか?)に関しても、手段が決定したら「Who:誰が担当するのか?」「When:いつまでに実行するのか?」といった項目も書き出すと良いでしょう。
上記のフォーマットと5W2Hを活用しながら、ワーケーション導入の計画作成を進めていくことで、情報を整理しながら関係者と共有することが可能になります。
4. ワーケーション成功の共通ポイント
ワーケーションを成功させるためには、いくつかの共通ポイントがあります。
まず、受け入れ体制の整備が不可欠です。訪問者が快適に過ごせる環境を提供することはワーケーション導入において重要な共通事項です。
次に、魅力的なプログラムの企画や実施が求められます。また、効果的なプロモーションや広報活動を通じて、地域の魅力を広く伝えることが必要です。
最後に、進捗管理と改善のプロセスを取り入れることで、継続的な発展が見込まれます。
4-1 受け入れ体制の整備
受け入れ体制の整備は、ワーケーション導入に不可欠です。
・宿泊施設やコワーキングスペースの確保
・インフラ環境の整備(ネット環境等の整備)
・地域住民との連携
訪問者が快適に過ごせる環境を整えるために、上記の整備が必須となります。
4-2 魅力的なプログラムの企画・実施
地域資源を活かした体験プログラムの開発も重要な要素です。
リソースが限られている自治体においては、ターゲット層を絞った企画を立て、効果検証を重ねると良いでしょう。
4-3 プロモーション・広報
せっかく企画を作成しても、誰にも知られていなかったら活用されません。そのため、SNSやWebサイト、地元紙や地元メディア、プレスリリースを活用した情報発信が重要となります。
また、セミナーやイベントで地域の魅力を伝えることも認知拡大に繋がります。プロモーションにおいても重要なことはターゲットを明確にすることです。リソースが限られた自治体であれば尚のこと。
4-4 進捗管理と改善
定期的なモニタリングと評価をおこない、参加者のニーズを把握して次の活動に反映させます。具体的には、アンケートをおこない「定量的成果」と「定性的評価」の記録を取ると同時に、次の企画案に反映させていきましょう。
PDCAサイクルを構築し、常に改善を図ることで、プログラムの質を向上させることができます。
まとめ
九州の自治体におけるワーケーション導入は、地域経済の活性化に大きく貢献します。
この記事を参考にして企画作成を進めることで、地域の魅力を最大限に引き出し、訪問者との交流を深める施策の第一歩が踏み出せるのではないでしょうか。株式会社ホンプロでは、九州に特化したワーケーション事業を展開しております。また、自社事業だけでなく福岡市が運営するワーケーション事業においてのコーディネーターとしての活動もおこなっております。
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