「HOnPro(ホンプロ)」のロゴ

【Mekuruto(メクルト)】多彩な愛に溢れた筑後エリアのコワーキングスペース。『九州・沖縄のコワーキングスペース探訪記vol.4』

WORKATION

SHARE
  • 今回取材に伺ったコワーキングスペースは、福岡県久留米市にある「Mekuruto(メクルト)」です。「Mekuruto」はJR久留米駅から徒歩6分程度のところにある築古ビルの2F部分のワンフロアーを、リノベーションし2018年1月に誕生しました。ワークスペースとイベントスペース、最近ではスパイスカレー屋が一体となった、「Mekuruto」の特徴は、「地域づくり」に根付いたコワーキングスペースです。中に入るとそこには、オシャレなカフェのような空間が広がり、スパイスカレーの良い香りが漂っていました。そこでは、どんな人が活動されているのでしょうか。今回は、「Mekuruto」を運営され、まちと人を“コト”でつなげようと、福岡県久留米市を中心に数々のプロジェクトに関わっている合同会社VisionAreal共同代表のおきなさんにお話を伺いました。

    「おかえり久留米」立ち上げまでの出会い

    「もともと東京や大阪などの都市部から久留米に暮らした人や、関わりたい人たちを集めた移住定住トークイベントがきっかけで、久留米移住計画という任意団体を立ち上げました」と語るおきなさん。「おかえり久留米」というコンセプトを掲げ、第2の故郷と言ってもらえることで、久留米に関わる人口を増やそうと活動されています。そんなおきなさんが大事にされているのが、「地域づくり」です。「地域づくりは、まずは地域に巻き込まれて、起業家はその中で自分のスキルを活かすことが大事なんです。でも、多くの起業家は自分のサービスの押し売りをする。それでは地域に根付いた活動はできません」といいます。おきなさんは、常に地域の人の声をもとに、プロセスを作ってこられました。ビルオーナーである田中さんに出会った時「地域のために何か役立ててよ」と言われたそうです。そこから、田中オーナー、近くに住む主婦の方、大工さんなど、色々な人を呼び、みんなでこのビルを地域のために使えないか話し合いました。そして最初に出た案が「ホステル」だったそうです。しかし、費用面の問題でホステルは難しいことが判明し、「コワーキングスペース」へと軌道修正し始まったプロジェクト。みんなで和気あいあいと準備を進めていた途中、ビルのオーナーである田中さんは事故で亡くなります。その時に、一旦はプロジェクトが止まったのですが、田中さんの奥様が「このプロジェクトは主人が楽しみにしていた事業だから続けてください」といってくださり再開しました。おきなさんは、「私たちは、このコワーキングスペースには、特別な思い入れがあるんです」といいます。ちなみに、コワーキングスペースの名前「Mekuruto」は、「筑後エリアの新しい働き方をめくる人たち」という意味と、筑後の「〜すると?」という方言をつなげて「Mekuruto」となったそうです。

    自分サイズを大事にし、人のつながりが生まれる運営を

    合同会社visionAreal共同代表のおきなさん

    コワーキングスペース「Mekuruto」は、1〜3名の企業や、フリーランスの方が月極契約で使用されていることが多いです。プログラムの会社、webデザインの会社や、ドローンの会社、動画クリエイターの方など、多種多様な方たちがいます。そんなMekurutoが、他のコワーキングスペースと大きく違うところは、「自分サイズ」を大事にしている点です。そのため、事業規模拡大のための営業などはお断りし、ライフワークバランスを大事にしたり、地域の人たちとの時間を大事にしたりすることに重きを置いてる人たちに利用していただいています」とおきなさん。「プログラマーが、子ども達を集めてコードの書き方を教えるイベントもしています。みんなでコードを書いて、最後に子どもたちが自分の書いたコードを発表するんですけど、そういった公民館のようなコワーキングスペースにしたいんですよね」とおきなさんは語ります。そのため、会員さんがこのようなイベントで施設を使用する際の費用は無料となっています。施設内にはバーカウンターもあるのですが、これも会員さんが家族などを呼んで自分で準備できるようにするためだそうです。Mekurutoが大事にしているのは、「みんなで空間を作ること」です。自由すぎるので、ガチっと仕事をしたい人の中には、合わない方もいるそうですが、「Mekuruto」はあくまでも地域づくりのための拠点の1つとして運営されています。おきなさんは、「パーテーションで区切ると、人と人のつながりがなくなるからあえてしないんです」と話し、これまでの工事や企画などもすべて、会員さん参加型で作ってこられました。

    利用者さまの反応、届いた感想

    実際にMekurutoを利用されている方からは、「ラフさがいい」「起業や収益といったオラオラしたマッチョ感がないのが居心地いい」という声が聞かれており、地域に根付いた温かさが利用されている方にも伝わっていました。また「ローカルのプロジェクトに関わりたかったからよかった」「管理人は自分」という声も聞かれており、利用者が「お客さま」ではなく、参加者として「主役」になっていることも伺えました。居心地のいい空間で、気の合う人たちとの交流のなかで企画が生まれるからこそ、結果的に地域づくりにつながっていくのだと思いました。

    地域やその人の魅力を活かして働ける環境を作りたい

    お話をお伺いしていると、地域の人を主役にし、プロセスを大事にされていることが印象的でした。「すべてみんなで作っていくのは非合理だけど、プロセスを大事にしています。1つ屋根の下でみんなが自分サイズでやっている。そんなアットホームなコワーキングスペースを目指しています」とおきなさんは言います。「自分サイズ」と聞くと、小規模のような印象になりますが、決してそうではなく「色々な人の自分サイズが重なって、そこから広がっていく」と仰っており、実際にコワーキングスペースでは色々な人が主役になるイベントが開催されています。今後は、筑後エリア周辺の山を借りて、ワーケーション施設などを作っていきたいというお話も聞かせていただきました。しかし、山を開拓するには、地元の人たちの理解を得ることが必須。そのため、自治体の様々な活動に参加もされているそうです。

    まとめ

    取材の冒頭でも「地域に巻き込まれて、そのなかで自分のスキルを発揮しながら地域を作っていく」と仰っていましたが、地域の人たちと真正面から向き合い、地域のなかに溶け込んで、地域の人たちが自分らしく活躍される場所を作っていらっしゃるんだと感じました。街づくりを軸にした色々な人に愛されているコワーキングスペースを運営されてるMekurutoさん。これからの展望が楽しみです。

    施設情報
    Mekuruto

    所在地:福岡県久留米市中央町11-1 第一田中ビル2階

    営業時間:10:00~17:00 (平日のみ)

    URL:https://mekuruto.com/

    author
    HOnProマガジン編集部

    HOnProマガジン編集部は、それぞれ異なる個性や背景をもったメンバーから構成されています。さまざまな視点や角度から九州・沖縄の働き方と休み方の今を取材し、現場目線でフレッシュな情報を発信して参ります。