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  • 【株式会社西日本新聞メディアラボ】労務事務の外部委託で人事労務部門の業務がどのように変化したのか『九州・沖縄企業の取組み事例vol.5』

    CASE

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  • リモートワークやペーパーレスの推進により、これまでの働き方を見直す企業が増えています。
    しかし、これまでの業務形態を変えることは簡単ではなく、また、より専門的な業務への時間が確保できずに、働き方の見直しまで至れない企業が多いのも事実です。
    そんな中、人事・労務部門が次のステップに向けた施策に注力できるよう、毎月の給与計算業務を外部委託することにした株式会社西日本新聞メディアラボ
    どのような目的で外部委託の検討をおこない、導入後はどのように変化したのか、総務部で人事・労務を担当している嵜村さんにお聞きしました。

    株式会社西日本新聞メディアラボ 総務部の嵜村さん

    事務の外部委託の導入の背景と目的について

    「弊社の総務部は、総務のなかに人事担当、経理担当、法務担当などがあり、総務部の業務の幅が広かったのですが、ルーティンワークに時間がとられ、現状にプラスした業務ができなかったので、”給与計算などのルーティンワークを外部委託しよう”となりました。」と語る嵜村さん。ルーティンワークを委託することで、他の業務の質を高めたかったといいます。

    給与計算を外部委託するにあたり検討した内容

    外部委託への取り組みの検討をはじめてから、実際にスタートするまでに半年くらいかかったそうです。
    「年度替わりに導入したかったので、半年くらいかけて委託先とやりとりを行いました。」と嵜村さんはいいます。
    給与計算の外部委託をするにあたり、株式会社HOnProを選んだ理由は何だったのでしょうか?
    「当社の顧問社労士が社会保険労務士法人アドバンスで、日々の労務相談と労働保険・社会保険の手続きを委託しておりました。株式会社HOnProは、同社労士法人のグループ企業として給与計算代行事業をされていることから、一体的に業務も受けていただけるという点と、アドバンスグループに依頼することで、法律に沿っていない内容などがあった際にも気づいてもらえると思った点で、株式会社HOnProに依頼しました。」

    外部委託を導入した後の変化とは?

    「外部委託することで、今までルール化できてなかったことがルール化できました。実は、私自身が人事労務がはじめてだったので、一般的な人事労務がどういうものなのか知らなかったんです。外部委託をすることで、他者の目線からも意見がもらえたのがよかったです。」と話し、外部委託したことが、長年社内にあったオリジナルルールの見直しにも繋がったといいます。
    また、外部を入れたことで、社員とのやりとりがスムーズになる場面もありました。
    残業時間の管理もそのひとつです。
    「弊社では固定残業制度を導入していますが、外部委託前は社員のなかに「その時間内なら残業してもいいや」という意識がありました。そこに加え、社内同士だと甘えみたいなものもでてしまい、残業時間の申請の期日を守ってもらえないこともありました。外部委託をしたことで「委託先に迷惑がかかるから、期日までに申請してください」と伝えることができました。そのなかで「定時は18時なので、この時間を過ぎたら残業ですよ。」という認識を社内に定着させることもできました。」と嵜村さんはいいます。

    外部委託することで、社員の意識が変わり、人事・労務の業務効率化にも繋がったそうです。
    では、事務作業面では、どのような変化があったのでしょうか?
    「計算作業にかかる時間が削減でき、他の業務に着手できるようになりました。」と話し、今は福利厚生や採用面の見直しを行っているそうです。
    「総務でエンジニアを採用したので、社内の手続きをシステム化しようという流れになっています。リモートワークの推進や、ペーパーレス化に向けて、業務の見直しをしていて、判子の省略可や電子化などをすすめています。」と教えてくれました。
    ルーティンワークを外部委託したことで、総務部がこれからの時代に合わせた働き方に向けて準備を進める環境が整ったようです。

    導入から定着までに大変だったことはありましたか?

    「外部委託する時は、自社が自社の課題を理解して「こうでないといけない」というものを理解していないと、外部委託できないんだということに気付きました。
    今回はその都度、HOnProさんに「これはどうしますか?」と聞いてもらうことで、自社の課題に気づけました。」と話す嵜村さん。
    会社の成長に繋げるための外部委託にするためには、自社の課題の共有が重要ということが伺えます。
    また、業務を外部委託し、他の業務に着手できるようになったのは2年くらい経ってからだといいます。
    アウトソーシングするといっても、すべて丸投げで完了するわけではなく、まだ自分たちで計算しないといけない部分もあったため、それらの電子化をしながら、業務の見直しをされたようです。

    導入して2年経過しての感想と今後の課題について

    外部委託を導入して2年。振り返ってみての感想をお聞かせください。
    「プロの方に入ってもらえることで安心ですね。他の業務に時間を使えるので、効率的にできていると思います。」と嵜村さんはいいます。
    今後は、人事異動や体調不良による休みでも、スムーズに業務の引き継ぎができるシステムを作るのが課題だそうです。
    「”この人じゃないと分からない”という状況をなくし、異動などで人が変わってもすぐに分かる環境を作れたらいいなと思っています。当社は経理部や人事部など細かく分かれておらず、”この業務は、この人しか分からない”という状況があります。体調不良などで担当の人が休んでしまうと、周りの人にも当人にも負担がかかる状態になっていたので、それを無くしていきたいですね。」と嵜村さんは語りました。
    また、来季に事務所移転の予定があり、移転先の事務所には全員分のデスクはなく、誰かがリモートになる勤務体制に変わっていくそうです。
    いまは、事務所移転に向けて、リモート導入に向けた準備もされているといいます。
    「事務や総務など、バックオフィスの人は、出社するのが当たり前と思っていたので、自分たちもリモートできるんだということに驚きました」とも話され、リモート推進に関して「自分たちの会社はできない」「自分の部署は出社するもの」という固定概念をもたずにチャレンジしてみることが大切だと感じたといいます。
    働き方の見直しが求められる現代で、業務のアウトソーシングを取り入れたことで、自社のイノベーションに向けた取り組みを加速させている株式会社西日本新聞メディアラボ。
    今後の働き方の変化、効率化の変化など、非常に楽しみです。

    ※この記事内容は公開日時点での情報です。

    取材先企業
    株式会社 西日本新聞メディアラボ

    所在地:福岡県福岡市中央区天神1丁目4番1号 西日本新聞会館15階

    URL:https://www.medialab.co.jp/

    author
    HONPROmag編集部

    「HONPROmag」の運営会社 株式会社ホンプロのメンバーが編集部員となり、地方モデルによるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が溢れる社会実現を目指し、九州・沖縄エリアの自治体や企業の取り組み等をお届けします。