【株式会社キャッチアップ】ニューノーマルな働き方とオフィスリニューアル『九州・沖縄企業の取組み事例vol.2』
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目次
いま、働き方改革のムーブメントはオフィスの在り方そのものにまで影響を与えており、たとえば「フリーアドレス」や「ABW(Activity Based Working)」の考え方に基づき、オフィスをリニューアルする企業が増えています。仕事の目的や内容によってオフィスの中を自由に移動し、働く場所を自ら決定できるオフィスレイアウトは、業務効率アップやコミュニケーションの活性化といった、企業の生産性を上げる手段として注目を集めています。
今回は、2021年4月にフリーアドレスへ改装された株式会社キャッチアップ 代表の江頭さんと広報ご担当の宮地さんに、フリーアドレス化の経緯と今後の働き方について伺いました。
オフィスリニューアルの背景と目的
「実は新型コロナウィルス感染症が流行した2020年よりずっと前から、オフィスのリニューアルについての構想を練っていた」という江頭さん。執務スペースにあった固定席24席が満席になったにもかかわらず、更に増員が決まっていたため増床や移転等、選択は急務でした。そんな中での新型コロナウィルスの拡大は、今一度オフィスの役割を考え直す大きなきっかけになったといいます。
もともと、2016年10月から業務ごとにリモートワーク制度を導入していたのが、会社全体のフルリモートワークへと移行した同社において、オフィスは単に業務を行うための場所ではなくなりました。with/afterコロナの働き方に見合った、新しい付加価値のあるオフィスづくりのため、リニューアルに踏み切ったとのことです。
リモートワーク制度が浸透するまでの道のり
とはいえ、リモートワーク制度を会社全体に広めた当初は、多くの課題に直面していたと言います。「対面業務の方が慣れている、安心だ」といった理由から出社する社員や、オフィスでの電話対応で出社せざるを得ない状況が見受けられたり、逆に一切出社しないことで、社員各人の業務内容や身体的・精神的状況の把握ができなくなったことが問題になりました。
その都度、一つ一つ解決するためのツールや仕組みを新設し、たとえばSlackを活用して、基本的なやり取りはテキストチャットで実施、音声チャットツール「Tandem」で雑談部屋を作り業務外の話を音声チャットで行うなど、オンライン上だけれどもオフィスでのコミュニケーションと同レベルになるような工夫をもたせています。特に、フルリモート下では業務の進捗共有も必要ですが、それ以上に会社のビジョンの共有や帰属意識向上の重要性が高まると強調されます。同社では、自社開発のラポール形成やドキュメント文化に有効な社内ポータルツール「onemind」を活用して、社員の意識統一を図っています。(「onemind」についてのお問合せはこちらから!)
また、代表電話をすべてスマホで対応できる運用に切り替たことで、出社する必要性を極力減らしています。
完全にリモートワークができるようになってからは、緊急事態宣言下で「出社禁止」という強めの指示でも運用可能となりました。経理等で業務上どうしても出社しないといけない場合のみ、出社が可能ですが、それも上長の承認があらかじめ必要という徹底ぶりです。
緊急事態宣言が解除された現在は社員全員にフルリモートワークという意識が定着し、出社しない社員の方が圧倒的に多い状態です。
「執務スペース ゼロ」がコンセプトのベース
リモートワークが浸透しているので、今後増員の予定があってもオフィスの席は少なくて良い、ということで、リニューアル前は24席あった作業スペースをなんと6席まで減らすという大胆なレイアウト変更へ踏み切った江頭さん。代わりに全社員フリーアドレスとし、オープンスペースを大幅に拡大しています。大きな円卓テーブルでは全員が持ち寄ったアイデアをいっぱいに広げて話すことができ、ゆったり座れるソファ席は、まるで自宅のようにくつろげます。特に注目したいのは、オープンスペース内の全員が見ることのできる、約8mはあろうかという大きなホワイトボードです。様々なアイデアがこの場から生まれ、有形化していくことが想像できる作りです。「原則、執務スペースはゼロ」と話される通り、オフィスとは思えない本格的なカフェカウンター、自由に食べて良いお菓子、誰でも自由に使えるダーツ台といった遊び心が満載のオフィスレイアウトです。コミュニケーションが自然と生まれ、新しいアイデアが生まれる場所という江頭さんの想いが体現されています。
オフィスリニューアルに伴う働き方の変化と今後
現在は郵送受取等の対応で、オフィスの運営を1日2名体制としています。それ以外で出社する社員がいたとしても、合計して4~5名程度までに抑えることができています。
ただしリモートワークにより直接顔を合わせる機会が激減したことで、中には数週間会っていない、「あの人はどこで何をしているんだろう・・・」というケースも出てきているため、出社する2名を会社でランダムに指定しているそうです。部署の垣根を超えた直接的なコミュニケーションは、やはりコロナ禍においても必要ですね。
オフィスをフリーアドレスにし、リモートワークを進めたことで、増員や採用時の席数の問題に悩むことがなくなったという江頭さん。更には住んでいる場所を問う必要がなくなったため、良い人材を広い視点で採用することができるようになったと言われます。現に中国に住んでいる日本人スタッフを採用し、中国からオンラインで全社員とつながっています。現在25名の従業員を今のオフィスで40名まで増やしたいという熱い想いを語っていただきました。
心理的安全性を追い求め、信頼関係を築く場所として
当たり前のように出社して、当たり前のようにリモートワークする会社にしたい、リアルとオンラインの最高のハイブリッドを目指したいという江頭さん。 オフィスの役割を従来の仕事をする場所という考え方ではなく、コミュニケーションを創り出しアイデアやイノベーションを起こさせるような場所として再定義した考え方は、with/afterコロナの時代において必要不可欠です。 「締切のある仕事が多いので、納期が迫るにつれてみんなストレスやプレッシャーがかかるんですよ。そんな中でこのオフィスを、通いたい!集まりたい!という場所にしたいんですよね」と語っていただきました。 機能性よりもアットホーム感を重視し、会話のしやすさや安心できる落ち着いた空間を目指して作られたオフィス。今のこの時代に適したオフィスで今後の皆さんの働き方がどのように変化していくのか、非常に楽しみです。
※この記事内容は公開日時点での情報です。