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  • ワーケーション✕空き家事例集|地方自治体向け導入ガイド

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  • 人口減少や空き家の増加が進む中、ワーケーションは地方自治体にとって新たな活性化策となり得ます。
    本記事では、「ワーケーション×空き家活用」の全国の成功事例、現場で使える導入プロセス、運営体制づくり、コストと資金調達、そして提案資料作成のヒントまで、実用性を重視して解説します。

    1. ワーケーション×空き家活用事例5選

    全国では、空き家や廃校、使われなくなった施設をリノベーションし、ワーケーション拠点へと生まれ変わらせる取り組みが進んでいます。
    ここでは空き家活用とワーケーションを組み合わせた注目事例を、全国から5つピックアップしてご紹介します。

    1-1. 長野県辰野町:外部連携プロジェクトによる空き家×ワーケーション推進

    辰野町では、町内の空き家や空き店舗をリノベーションし、コワーキングスペースや宿泊施設として再生する「たつのWORK TRIP」プロジェクトを展開。

    スタートアップ企業や個人事業主が町内に滞在し、地域との交流を深めながら事業を展開。空き家を活用した宿泊施設の開業支援やサテライトオフィス設立など、多様な成果が生まれています。

    参考サイト
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    1-2. 山梨県富士吉田市:空き家活用×ワーケーションで企業・自治体が連携した「働き方改革」モデル

    地元出身のIT企業経営者と自治体が連携し、空き家バンク登録物件を活用したコワーキングスペース「ドットワーク富士吉田」を開設。

    地域に貢献したい企業が主体となり、働き方の多様化や「パーソナライズ」を実現する場として展開。テレワークやワーケーションの拠点として活用され、開設後2年間で移住者10名、宿泊者237名(延べ788泊)を受け入れるなど、地域活性化にも貢献しています。

    地方自治体と企業が相互に強みを発揮する「空き家活用×ワーケーション」推進の好事例です。

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    1-3. 岐阜県養老町:既存建物を活用したテレワーク施設「fujiyoshida.dot.work/YOROffice」の開発

    日本テレワーク協会と連携し、町内の未利用施設を活用してテレワーク施設「YOROffice(ヨロフィス)」を開設。

    コワーキングスペースや個室ブース、3Dプリンターを備えたクリエイターズワークスペースなど、多様な働き方に対応しています。
    町内のレンタルハウスを活用したプチ移住体験も提供し、空き家利活用とワーケーション推進を通じて、地域活性化や関係人口創出に寄与しています。

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    1-4. 徳島県神山町:空き家改修による「すみはじめ住宅」とワーケーション受け入れ

    長期間空き家だった古民家を改修し、シェアハウス型の「すみはじめ住宅」として提供。
    移住希望者やIT企業のサテライトオフィス利用者が、地域と顔の見える関係を築きながら“お試し暮らし”できる環境を整備。

    滞在期間中は地元住民や職人との交流を通じて相互理解が深まり、リノベーションや住宅活用への意識醸成にもつながっています。町主導のバスツアーや手作り新聞による情報発信も行い、多様な働き方・ワーケーション人材の受け皿として地域に新しい活力を生み出しています。

    参考サイト
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    1-5. 鹿児島県錦江町:廃校(空き施設)をICT強化型ワーケーション複合拠点に

    廃校となった空き施設を再活用し、光回線LAN・Wi-Fi完備の複数サテライトオフィスを開設。

    ワーケーションや短期合宿、職住一体の常設オフィスなど、企業誘致や地域体験・住民交流プログラムも組み込み、幅広いニーズに対応しています。

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    2. 導入プロセスと運営体制のポイント


    ワーケーション導入には、地域ごとの事情に合わせた設計が不可欠です。
    ここからは現場担当者がすぐ活用できるよう、実践フローを解説します。

    2-1. 導入プロセスの流れ

    • 目的・ターゲット設定の絞り込み
      「なぜワーケーションを導入するか」を明確にし、まずは”ターゲット(属性・ニーズ)”を絞り込むのが成功のコツです。
    • 空き家選定・現地調査
      所有者との連絡・耐震性・インフラ・周辺環境等のチェック。空き家バンク、建築士、不動産業者との協力が有効です。リソース不足を補うためにも専門的知識が役立ちます。
    • 住民・所有者との協議・合意形成
      説明会やワークショップで不安や疑問を丁寧にヒアリング。カフェ運営や地域プログラム等、住民の役割設計を工夫すると協力が得やすくなります。
    • 事業計画・収支シミュレーション
      初期改修費、運営コスト、予想収入を整理し、行政・NPO・民間が協力して現実的な計画を作成。
    • 補助金・民間資金調達
      国や自治体の補助金、クラウドファンディング、地元企業協賛等、多様な資金源を組み合わせましょう。
    • 施設改修・ICT整備
      Wi-Fiや個室ワークスペースの導入は1施設あたり20~100万円が目安。利用者の声(会議室・子連れ対応など)を積極的に反映しましょう。
    • 運営パートナー選定・委託
      NPOや地元企業、観光協会等との連携で現場運営の負担を分散し、責任範囲を明確化。
    • プロモーション・利用者募集
      SNSやWeb、地元メディア、体験談発信など、多面的にPRを展開。
    • 運営開始とフィードバック体制
      利用者アンケートやレビューを定期的に回収し、運営や設備に柔軟に反映する改善サイクルを回しましょう。

    これらのステップを順に踏むことで、空き家活用型ワーケーション事業の立ち上げや運営がよりスムーズになり、現場での実現性や継続性も高まります。

    2-2. 運営体制のポイント

    • 行政・民間・地域団体の分担
      行政は全体マネジメントや補助金管理・広報、現場運営やイベントはNPO・地元企業が担当。
    • 現場スタッフの確保・研修
      利用者対応力向上のため、住民向けおもてなし研修やICTサポート研修を定期的に実施。
    • 地域内外の連携強化
      観光協会・大学・商工会等と連携し、体験型プログラムやイベントを企画。
    • IT・広報専門家の活用
      ITコンサルやPRの外部人材も活用し、運営や発信の質を高めましょう。

    3. 成功のポイントとリスク回避策


    空き家を活用したワーケーション導入では、地域特有の課題や現場の状況にあわせた工夫が不可欠です。
    全国の事例から見えた成功パターンと、失敗しやすい落とし穴を整理します。

    成功の共通点

    • 住民・所有者の合意形成と協力体制
      空き家の所有者や地元住民への丁寧な説明会、ワークショップを複数回実施し、疑問や不安を解消。地域参加型で役割分担(例:カフェ運営やプログラム協力)を明確化した事例は長期運営につながっています
    • 利用者目線の空間づくりとICT環境整備
      単なる空き家リノベーションではなく、ワーケーション利用者の声を反映し、高速Wi-Fi・個室ワークスペース・共用ラウンジ・宿泊機能など「働きやすさ」を追求。
      例:要望に応じて子連れ用スペースやオンライン会議用ブースを追加したことで、リピーターが増加した事例も。
    • 地域体験・交流プログラムのパッケージ化
      施設利用だけでなく、農業体験・地域食材の料理教室・伝統文化ツアーなど、地域ならではの交流型プログラムを提供。
      これにより、ワーカーが地域に溶け込み、移住や2拠点生活への関心も高まりやすくなります。
    • 行政と民間・団体の分業とパートナーシップ
      行政は全体調整や補助金申請、民間・NPO・地元団体は現場運営や利用者対応を担当することで、負担の偏りやトラブルを防ぎやすくなります。明確な役割分担が長期的な持続運営のカギです。

    失敗しやすい点

    • 空き家所有者や住民への説明・協議不足
      十分な合意形成がないまま空き家活用を進めた結果、近隣住民とのトラブルや事業撤退に至ったケースもあります。
    • 収支計画の甘さ・短期事業化
      イベント単発型で終わり、持続的な収益モデルが描けずに施設が空き家に戻る事例も。改修・運営コストの実態把握と現実的な収益シミュレーションが不可欠です。
    • 利用者ニーズや多様なワークスタイルへの配慮不足
      「Wi-Fiが遅い」「プライバシーがない」「長期滞在不可」など、設備やサービスのミスマッチで利用者離れを招くことも。
      事前アンケートや利用者レビューによるPDCAが重要です。

    4. 導入コスト目安と資金調達の方法


    二地域拠点施策への政府の後押しもあり、費用面では様々な調達手段と成功事例が増えています。

    • 改修費:
      1施設につき数百万円~(規模・設備内容による。例:Wi-Fiや備品導入で20~100万円、空き家改修は300万円超の例もあり)
    • 運営費:
      NPO委託型の場合、年間200万円程度が目安となることも
    • 補助金・助成金:
      国土交通省の「空き家再生等推進事業」、観光庁・県庁などのワーケーション推進補助金等が利用可能
    • クラウドファンディング等:
      民間による調達事例も増加傾向

    5. 提案資料作成のヒント


    意思決定を引き出すには、現場目線のリアリティと説得力のある資料づくりが不可欠です。

    5-1.課題・効果・メリットの整理

    空き家増加、人口減少、地元経済の停滞といった現状。地域外人材や交流人口の創出、地域イメージアップ、移住・定住促進、地域経済の活性化など。事例に紐づけた「うちでもできる」納得感を意識する。

    5-2.資料活用ポイント

    • 類似する地域資源・規模感の自治体事例で説得力アップ
    • 導入プロセスや体制の図解
    • 住民合意、運営体制構築の工夫、現場写真等の活用

    これらのポイントを押さえた提案資料は、意思決定層の共感を得やすく、実行可能性の高いプロジェクトとして採択されやすくなります。

    6. まとめ

    空き家活用型ワーケーション事業は全国で実績が広がっていますが、地域の規模や特性に合わせてアレンジすることで再現性が高まります。
    まずは小規模・短期間からチャレンジし、住民と利用者の声を取り入れながら持続的な運営を目指しましょう。
    ホンプロでは、九州地方の自治体の皆さまが抱える課題解決に向けて、ワーケーション導入や空き家活用のサポートが可能です。
    ご相談やご質問があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。