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  • 【小規模自治体向け】地域資源を活用したまちづくり事例集

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  • 人口5万人以下の町や市、あるいは「観光地と呼べるような分かりやすい資源がない」と感じている自治体でも、地域資源を活かしたまちづくりは必ず実現できます。
    本記事では、地域振興・観光課など現場でまちづくりを担う自治体職員に向けて、「自分たちの町には何が地域資源になるのか」を改めて見つめ直し、全国の自治体で実際に成功している事例を“自分たち流”にアレンジして展開するポイントを分かりやすくまとめました。

    大切なのは、目立つ観光地や産業・特産品だけが「地域資源」ではないという視点です。
    この記事では、自治体規模や立地に左右されない多彩な事例、活用のステップ、注意すべきポイントまでを網羅。一次情報(公式サイトや公的資料リンク)つきなので、すぐに現場の参考になる情報源としても活用できます。

    「ウチには何もない」と感じている職員こそ、ぜひ最後までご覧ください。今日から取り組めるヒントと“自分たちの町”で成果を出すための実践例が見つかります。

    1.地域資源の“気付き”がまちづくりの第一歩


    地域資源とは観光地や有名な産業だけではありません。
    日々の暮らしや地域の中にこそ、活用できる“資源”が眠っています。

    大切なのは、「何もない」ではなく、「どんな資源があるか」に気付く視点を持つことです。

    1-1.地域資源とは?

    「地域資源」とは、地域の中で価値を生み出すあらゆる“素材”です。

    観光地や特産品はもちろん、地元の人々の暮らし、歴史や文化、地域で続く行事や技術、日常の景色や小さな施設、人のつながりまでも資源になります。

    たとえば、地元のお祭りや伝統工芸、古民家、農産物、使われていない空き家、自然の風景、地域の名人・達人など、普段は意識していないものが他の地域にとっては大きな魅力になることもあります。

    1-2.地域資源一覧表

    資源ジャンル 主な例
    暮らし資源 地域の風景、日常行事、地元グルメ、伝統の習慣
    歴史・文化資源 伝統工芸、古文書、地域の伝承、歴史的建造物
    産業資源 農産物、林産物、地場産業、未利用資源
    自然資源 里山、川、ため池、景観、動植物
    人材資源 名人・達人、移住者、子ども、高齢者
    空間資源 空き家、廃校、空き店舗、未利用地

    どんな町にもある“当たり前”の中に多彩な資源が眠っています。

    1-3.地域資源発見のコツ

    住民参加型のワークショップを開く

    「好きな場所」「昔から続いていること」「困りごと」などテーマを決めて語り合う機会を設ける。

    若者、高齢者、移住者、ときには外部の専門家などを交え幅広い視点で話し合うことで、自分たちだけでは気付けなかった資源が見つかります。

    過去の広報や地元新聞、SNSも活用

    昔の記事やネットの話題もヒントに。埋もれた歴史や行事、地域の誇りが発掘できることがあります。

    2. 成功事例から学ぶ!小規模自治体のまちづくり

    地域資源の活用で成果を出している小規模自治体の多くは、「他地域のやり方をそのまま真似する」のではなく「自分たちの町ならではの特徴や課題に合わせてアレンジ=“自分たち流”」で発展させています。
    以下では、成功事例と“アレンジの視点”をあわせて紹介しますので、アイデアの参考にしてみてください。

    ■参照:地域資源の活用(国土交通省)

    2-1. 伝統的町並み × 住民主体観光(福島県下郷町)

    概要

    江戸時代の茅葺き町並みを住民・地元組織で保存・活用。冬・夏と滞在期間の延伸に向けたイベント開催や体験プログラムも住民主体で開催し、交流と地域経済循環を創出。

    アレンジ視点

    歴史的な町並みや伝統行事を、観光+住民交流+体験として再構築し、“住民が主役”になる形は他自治体でも実践しやすい。
    訪日外国人向けの「指さしトーク」冊子を用意し、外国人観光客への対応を誰でもできるように工夫している。

    2-2. 農家民宿✕北海道ツーリズム(北海道鹿追町)

    概要

    鹿追町では約30年にわたり、農家レストランや農家民宿、アウトドア体験を組み合わせたグリーンツーリズムを展開。
    NPO法人が地域事業者をつなぎ、観光と農業を連動させてきました。住民参加の学びや事務局機能も充実し、地域雇用や新事業を生み出しています。

    アレンジ視点

    地域の農業や暮らし体験、自然などを複数の事業者で連携し、住民参加型ネットワークを形成することがポイント。NPOや中核団体による調整役がいれば、小さな町でも持続的な観光・交流事業が広がります。

    2-3. 自然資源 × 修学旅行・エコツーリズム(沖縄県東村)

    概要

    やんばるの自然を活かし、農業・漁業・自然体験を一体化した体験型観光を展開。農家や地元ガイドが直接交流する本格的な体験が魅力で、受入窓口の一元化によって年1万人超の修学旅行生を受入。地域の人が主役となり、地域課題を自分ごと化しながら持続的な運営を実現している。

    アレンジ視点

    複数の体験組織や事業者をまとめて連携することで、多様な体験と教育旅行の受入が可能に。地域資源や日常の暮らしを“体験資源”として再発見し、住民自らが運営主体となることで、小規模自治体でも無理なく観光や交流を持続できる。

    2-4. 古民家活用 × 宿泊・体験(京都府伊根町)

    概要

    舟屋(1階が船の格納庫、2階が居住スペース)の宿泊施設を核に、暮らしや漁業体験など地域独自のプログラムを展開。観光交流施設(セントラルキッチン)が食事提供を担い、住民ガイドによる体験や連携が地域全体の観光推進につながっている。

    アレンジ視点

    空き家や地域の建物を宿泊や体験施設として再生し、地元住民がガイドや体験プログラムの担い手となる仕組みづくりが機能。運営や食事の分担など、地域内連携を強めることで、無理なく持続可能な観光地域づくりが可能となる。

    2-5. 歴史的建造物 × 商店街・住民主導まちづくり(滋賀県長浜市)

    概要

    官民共同の第3セクター「㈱黒壁」が歴史的建造物をリノベーションし、黒壁ガラス館など観光のシンボルへ再生。商店街が主導しながら、住民主導のまちづくりと一体で歴史的町並みの整備を進め、年間200万人が訪れる賑わいを創出している。

    アレンジ視点

    古い建物や歴史的町並みを「まちづくり会社」や地元商店街が活用し、官民協働で観光・起業・居住支援など多目的に展開するモデル。
    住民の主体性を活かしつつ、まち全体を博物館のように磨き上げる発想は、規模を問わず他地域にも応用できる。

    2-6. 伝統的町並み × ポップカルチャー・エンタメコラボ(鳥取県倉吉市)

    概要

    伝統的な白壁土蔵群の町並みと、世界的フィギュアメーカーやアニメ・ゲームなどのポップカルチャーを融合。民間企業と連携し、「くらよしフィギュアミュージアム」やファンイベントを戦略的に開催。新たな観光需要を生み、若者や外国人観光客、熱心なファンの来訪・地域交流が進んでいる。

    アレンジ視点

    地域の歴史やレトロな資源と、外部企業や現代的コンテンツをコラボさせることで、これまでにないターゲット層の誘致や情報発信が可能に。特定のジャンルに関心を持つファンや外国人との交流、関連商品の開発など、地域経済や住民意識の活性化につながる新しい手法として他自治体でも活用できる。

    3. 事例を活かす“小規模自治体流”実践ステップ


    小規模自治体でも成果を上げているまちづくり事例の多くは、単なる模倣ではなく、「自分たち流」のアレンジが成否を分けています。
    ここでは、事例を“自分たちの地域に合ったカタチ”で実践するためのステップと注意点を紹介します。

    3-1. 地域資源と課題の整理

    まずは、自分たちの地域にどんな資源があり、どんな課題や強みがあるのかをリストアップします。
    住民・事業者・外部の目を活用しながら「当たり前」を見直し、“埋もれた資源”や「組み合わせ」のヒントを探ります。

    3-2. 参考事例を自分たち流にアレンジする

    事例をそのままコピーするのではなく、

    • 地域の規模・住民構成・地理的特徴
    • 誰を主役にするか(住民、商店街、NPO、若者、外部企業など)
    • どの資源や組み合わせが自分たちに応用できるかを一つずつ検討しましょう。
      例えば、「農家民宿×地域食材×ガイドツアー」「商店街×起業支援×歴史資源」など、自分たちだけの掛け合わせを考えるのが成功のコツです。

    3-3. 小さく始めて“検証”する

    最初から大きな事業を目指さず、まずはイベントやモニターツアー、ワークショップなど小さく始めてみましょう。
    参加者や住民の反応を見ながら改善を重ねることで、資源や事業の磨き上げができます。
    「失敗してもリスクが小さい」ことも小規模自治体ならではの強みです。

    3-4. 住民・外部の巻き込みとネットワーク化

    成功事例の多くは、住民の「主体性」や外部人材・事業者の巻き込み、NPOや商工会・企業との連携を積極的に進めています。
    組織や世代を超えたネットワークをつくることで、プロジェクトの継続性・発展力が高まります。

    3-5. 支援制度や専門家の活用

    小さな自治体ほど、国や県の補助金、専門家派遣、大学・NPO・DMOとの協働など外部支援を積極的に活用するのがポイントです。
    採択事例や補助金の使い道を他自治体の公式資料や国のWebで情報収集し、必要な制度は早めに押さえましょう。

    3-6. 継続と定期的な振り返り

    最初の一歩が成功しても、取り組みは“やりっぱなし”になりがちです。
    定期的に「何がうまくいったか」「新しい資源はないか」「住民の意識や外部の評価はどうか」を振り返り、必要に応じて事業をアップデートしていくことで、まちの活力が持続します。

    4.国の補助金リスト

    小規模自治体のまちづくりや地域資源活用には、自治体単独の努力だけでなく、国・都道府県の補助金や外部支援制度の活用が欠かせません。ここでは主な補助金の概要と、上手な使い方のポイントを紹介します。

    4-1.主な国の支援制度

    デジタル田園都市国家構想交付金

    デジタル技術を使った地域課題解決や新たな資源活用に取り組む自治体を支援。DX推進や観光、福祉など分野横断で利用されています。

    対象者:自治体(地方公共団体)

    ■詳細はコチラ:デジタル田園都市国家構想交付金 – デジタル田園都市国家構想実現会議事務局

    地域観光魅力向上事業(観光庁)

    地域の新しい観光プランや体験を作り、集客や情報発信まで総合的に支援してくれる制度です。継続的に観光客を呼び込める仕組みづくりをサポートします。

    対象者:自治体・DMO・観光協会・商工団体・NPO等

    ■詳細はコチラ:地域観光魅力向上事業

    エコツーリズム地域活性化支援事業(環境省)

    地域の自然や体験を活かした観光(エコツーリズム)で地域を元気にする取り組みをサポートしています。体験プログラムの企画やツアー実施などに使える補助金が用意されています。

    対象者:自治体・観光協会・NPO等(地域の協議会組織が主)

    ■詳細はコチラ:令和7年度生物多様性保全推進交付金(エコツーリズム地域活性化支援事業)の公募について | 報道発表資料 | 環境省

    伝統的工芸品産業支援補助金(経済産業省)

    伝統工芸や地域文化の保護・育成、新規事業開発や後継者育成などに活用可能。

    対象者:伝統的工芸品の製造事業者、協同組合、支援団体(自治体は申請主体にはなれないが、計画支援等は可能)

    ■詳細はコチラ:伝統的工芸品 (METI/経済産業省)

    ■関連記事:【2025年版】九州ワーケーション補助金|人が集まる自治体になる活用ガイド

    4-2.補助金の活用ポイント

    申請要件や事業例は最新の公式サイト・募集要項で必ず確認

    公募要項や採択事例は毎年変更されます。自分たちのプロジェクトに合う制度を早めにリサーチしましょう。

    リサーチ先として、官公庁の「関係人口創出・二地域居住・ワーケーション・定住移住」などの事例には、関連する補助金情報も含まれるので情報源となります。

    また、商工会、観光協会、NPO、DMOなど外部機関とのネットワークを活用して情報を集めることも効果的です。

    分野横断や複数の補助金を組み合わせる例も増加

    「観光×福祉」「デジタル×伝統文化」など、複数分野にまたがる事業は複数の補助金を組み合わせることで資金調達の幅が広がります。

    事業計画書のブラッシュアップ・外部専門家の活用

    採択率アップには、分かりやすい計画書・KPI設計、実現性の高い事業内容、外部支援機関や専門家の協力も重要です。

    まとめ|地域資源を活かしたまちづくりの実践に活かそう

    小規模自治体であっても、地域の「当たり前」や「眠っている資源」に目を向けることで、
    他にはない魅力や強みを発見し、持続的なまちづくりにつなげることができます。

    官公庁のWEBサイトでも多くの成功事例が紹介されていますが、「そのままマネる」のではなく、自分たち流にアレンジし、住民や関係者と連携しながら小さな一歩からチャレンジを重ねていくことが大切です。
    補助金もうまく活用しながら、「自分たちのまちならでは」の資源やアイデアを活かして、これからのまちづくりを進めていきましょう。

    「自分たちの地域でどんな活用ができそうか相談したい」 「具体的な事例や最新のトレンドが知りたい」九州エリアの自治体職員・関係者の方は、ぜひホンプロへご相談ください。

    九州でのワーケーション事業の導入実績が豊富なホンプロでは、地域資源の活用やプロモーションなど、九州エリアに特化したサポートを行っています。
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