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  • 【株式会社サイバーコネクトツー】エンジニアフレンドリーな職場づくり『九州・沖縄企業の取組事例』vol.10

    CASE

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  • 働くうえで「働きやすい環境」というのはとても大切ですよね。重要性を理解していたとしても、実際に働きやすい環境をつくることは大変だと思います。

    働く人々にとってどのような環境が「働きやすい環境」であるのか。どういった取り組みをすることで、理想の環境となるのか。浮かんでくるのは疑問ばかりですよね。
    実際に働きやすい環境づくりに取り組み、社内のスタッフはもちろん周囲からも高い評価を受けている株式会社サイバーコネクトツーの代表取締役の松山さんにお話を伺いました。
    画期的な取り組みなど、あらゆる場面で工夫が感じられます。ぜひ働きやすい環境づくりのヒントにしてみてくださいね。

    株式会社サイバーコネクトツー 代表取締役の松山さん 取材当日は東京からオンラインでインタビュー対応いただきました。

    「エンジニアフレンドリーシティ」とは

    エンジニアフレンドリーシティ福岡アワード」を受賞した株式会社サイバーコネクトツー。「エンジニアフレンドリーシティ福岡アワード」とは、福岡のエンジニアが働きやすく成長しやすい環境づくりに力を入れて取り組む企業を表彰するものです。
    今回の受賞にあたり、人材育成と社内環境の充実を高く評価されました。エンジニアやクリエイターを取り巻く環境を充実させる取り組みについて詳しく教えていただきました。

    人材育成と社内環境に力を入れる理由

    株式会社サイバーコネクトツーでは、社内の大半を20代〜30代のスタッフが占めており、特に新卒採用に力を入れているそうです。なぜ若手の人材の発掘と育成に力を入れているのでしょうか。
    ゲーム業界は人材育成以前に人手不足という問題を抱えています。ゲーム業界を志望する者のうち、企業側が求める能力まで到達していない方が多いそう。志望者はある程度いるにもかかわらず、不採用にせざるを得ないため結果的に人手不足となっています。
    「若い世代が育っていかないところの業界は衰退してしまう。」と松山さんは話します。
    ゲーム業界は実力主義社会であるため、能力や才能を認められてはじめて土俵に立つことができます。そのため、努力を怠らず狭き門を突破することができた者には、最高の環境で学びができる制度を整えているのです。

    同社開発タイトル:『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』(メーカー:アニプレックス)製品イメージ

    エンジニアやクリエイターにとって働きやすい環境とは

    エンジニアやクリエイターにとって働きやすい環境とは、一体どのような環境なのでしょうか。スタッフの自主性に任せるのか、それともあらかじめ決められた業務をこなすのか…。
    「スタッフの自主性に任せることは嫌い。なぜならば、それは教育ではないから。」と松山さんは言います。まず大前提として知識や技術などの土台部分がきちんと定着していて、使いこなせること。その前提があってはじめて自主性を発揮することができるのです。
    ゲーム開発を行う株式会社サイバーコネクトツーが実際に行なっている具体的な取り組みとしての一つに「ライブラリ」の設置があります。多くのエンタメ作品から吸収してモノづくりに生かすという考えのもと、社内に9,000点以上のアニメ・映画のブルーレイやDVD、マンガやゲームソフトが揃えられています。その中でも最低限見ておくべき作品や話題の作品、オススメ作品などを全スタッフに共有されています。

    福岡本社内に並ぶ「ライブラリ」

    社内の大半を占めるのが20代・30代のスタッフであり、また40代・50代のスタッフも在籍しているため、世代間のギャップを埋めて価値観を共有することが目的と松山さんは話します。
    50代のスタッフがかつて見ていた作品を、20代のスタッフが見ている可能性は決して多くはないですよね。しかしDVDやブルーレイを見て勉強することで、世代を越えた繋がりが生まれます。
    様々な年代が集まる組織において、世代間によるギャップをなくし、同じ目線で物事を考えられる環境というのは貴重ですよね。価値観の共有ができることで、より発想力豊かなアイディアが生まれやすく、より良い作品が作られ、正の連鎖に繋がっていきます。
    身近な社内設備にも気を配っているそうです。エンジニアやクリエイターにとって命とも言える大切な腰を守るため全ての椅子を高品質のものにしたり、エンジニアやクリエイターが使用する機器を積極的に最新のものにしたりと、最高の環境下で仕事ができるよう配慮しているそうですよ。

    11階共用部には週刊誌も設置。

    身体を労わる設備であったり、使い勝手が良い最新機器を取り入れたりと、働きやすくなる工夫があらゆる場面に施されていますよね。
    また同業種の会社と一番の違いであるのは、業務部の存在。株式会社サイバーコネクトツーは、エンジニアやクリエイターが所属する開発部とは別に業務部を配置しています。業務部とは開発部を支えるための部署で、ゲーム開発以外の業務を全て請け負っているそうです。
    ゲーム会社の多くはこういった雑務をこなすスタッフをあまり多く配置していません。しかし、株式会社サイバーコネクトツーでは、エンジニアやクリエイターが開発に集中できるよう、あえて多く配置しているのです。
    こういったエンジニアやクリエイターにとって優しい環境・集中できる環境が、スタッフに支持されているのですね。

    スタッフ全員の身体を労わるよう、同社業務部では掲示運用等に工夫している。

    自社だけにとどまらない

    GFF」や「CEDEC+KYUSHU」などといった技術発表会へ積極的に参加されたり、数多くの学校講演を行なっている株式会社サイバーコネクトツー。自社の作品がどのように生み出されたのか、開発技術も積極的に発信しています。

    社内にとどまらず、ゲームクリエイター育成を目的とした書籍「サイバーコネクトツー式・ゲームクリエイター育成BOOK」等、ゲーム業界全体の人材育成にも積極的に取り組みされています。

    「自分たちが発信者になる」という前提でゲーム業界全体に働きかけているのだそう。
    自社の秘密情報をライバル会社に公開することは、多かれ少なかれ抵抗がありますよね。ではなぜ、自社だけにとどまらずゲーム業界全体に向けた情報発信に力を入れているのでしょうか。
    「スタッフの育成と交流のため」だと言います。情報を発信することで、必然的に人が集まり技術交流の場が設けられます。それを見た周りのエンジニアやクリエイターはより良いものを開発しようと努力し、技術の進歩やモチベーションへ繋がっていくのです。
    そのお互いを高め合いながら、切磋琢磨できる関係づくりのために情報発信に力を入れているそうです。
    エンジニアやクリエイターの成長のため尽力する松山さんの思いが強く感じられますよね。

    福岡本社の開発チームのフロアも撮影させていただきました!

    より働きやすい環境へ

    働きやすい環境であるか否かは、その場で働くスタッフがよく理解していると思います。
    株式会社サイバーコネクトツーでは職場環境についてのアンケートを実施し、改善すべき点や注意喚起などスタッフの意見をまとめた「CC2かわらばん」を掲示しています。なんと毎週更新しているとのこと。

    広報ご担当の白水さんに社内見学のアテンド、社内掲示「CC2かわらばん」の説明をいただきました。

    この取り組みは、社内のモラル向上や意識改革、そして最新のオススメ作品の情報を共有することも目的の一つだそうです。
    新しいルールや考え方は日々出てくるため、定期的に部署ごとの話し合いの場を設けたり、社長へ届いた意見をすぐ反映したりと、即時改善、全社周知できるような体制を整えているそうです。

    取材日の「CC2かわらばん」では、「ライブラリ」に並ぶオススメコンテンツを紹介されていました!

    定期的にアンケートが実施されたり話し合いの場が設けられたりと、自分の意見が反映されやすい職場は風通しがよく働きやすいですよね。
    また、良い作品づくりに貢献してくれたスタッフにはその頑張りに見合う対価を支給しているそうです。自分自身の頑張りが評価され、それが目に見えてわかると嬉しいですよね。
    良い環境を作ることで、良い作品が作れ、結果としてお客様の笑顔に繋がります。「自分の作った作品が褒められて売れること、これが一番の喜びであり誇り」と松山さんは言います。
    今回お話を伺って、働きやすい環境下でモチベーションを保ち続ける秘訣について知ることができました。株式会社サイバーコネクトツーは自分の頑張りに見合う対価だけでなく、仕事に対する”大きな誇り”を感じることができる企業です。だからこそ良い作品が生まれ続けているのではないでしょうか。

    社内に飾られる同社開発タイトルの数々

    ※この記事内容は公開日時点での情報です。

    取材先企業
    株式会社サイバーコネクトツー

    所在地:

    【福岡本社】福岡県福岡市博多区博多駅前1-5-1-10F

    【東京スタジオ】東京都品川区大井1-47-1 NTビル6

    URL:https://www.cc2.co.jp

    author
    HONPROmag編集部

    「HONPROmag」の運営会社 株式会社ホンプロのメンバーが編集部員となり、地方モデルによるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が溢れる社会実現を目指し、九州・沖縄エリアの自治体や企業の取り組み等をお届けします。